当院では平成16年頃より婦人科領域、とりわけ不妊について鍼灸の効果の検証と治療手法の確立に、産婦人科での勤務研修を経ながら、様々な角度から取り組んで参りました。とりわけ不妊領域では、高度な医学知識(医学部教養課程レベルの生物学や生化学、また産婦人科専門医が読む書物群)を鍼灸医療の学と術にどのように利用し反映させていけるか、その研究に傾注して来ました。そこで当院の不妊治療の特徴を簡単にまとめましたので、このページだけでもさっくりとお読み下さいませ。
また不妊症に有効な鍼灸治療を行おうとすれば、
1、なぜ今、赤ちゃんを授かりにくいのかを推察できること
2、その状態を改善するための適切な技術とノウハウを持っていること
を考えることが必要です。当たり前のことですが、例えば胃が痛い時に、風邪薬を飲んでも余計に悪くなることもあるように、鍼灸なら何でも良いわけでは絶対にありません。他の鍼灸院から転院してこられる方々は過去に数知れずです。どうか院選びを慎重にしていただきたいと思います。
さて私達の院では、鍼灸受療中の妊娠者が1,000人を突破しています。その理論や実績を学会、研修会などで、鍼灸師のみならず、医師や看護師、胚培養士にまで毎年講演している鍼灸院は無いと思います。私たちは東洋医学の曖昧な言葉ではなく、誰にでも理解しうる理論、根拠、データ、実績を誇りとしています。
私が考える「良い鍼灸」とは「(東洋医学西洋医学の両方の知識を駆使して)正しい理論に基づいた治療が効果を上げ、その効果が反復すること」です。ですから正真正銘の実績でもって、皆様にご判断頂きます。以下は、すべて中村が「開業鍼灸師として」先駆的に行って来た婦人科関連の「京都初!(関西初、日本初も含まれます)」です。
(2024年末記)
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不妊鍼灸の中核は「育卵(良質の卵子を育てること)」
育卵治療(卵子の劣化防止)のページ参照
体外受精で過去に胚盤胞が取れなかった方が取れるようになる、つまり卵子の栄養状態が改善していることを証明しました。その時間的経過と一致して、自然及び人工授精妊娠率も変動することを発表しました。(第一次報告平成27年、第二次報告平成28年、第三次報告令和3年)加えて、自律神経、免疫などの調整も視野に入れた治療を行います。 -
不妊鍼灸による着床率の向上の鍵は免疫と血流
着床率、妊娠率の向上のページ参照
妊娠のための大切な瞬間、それは受精卵が着床する瞬間です。体外受精の胚盤胞移植時の着床率が有意に向上することで、自然妊娠から体外受精の全過程で必須の「着床」をアシストしていることを証明しました。 -
レーザー(スーパーライザー)は常に最新型を
不妊とスーパーライザーのページ参照。不妊鍼灸にレーザーを併用したのは、国内で当院が初めてです。2022年には、どこよりも早く最新型スーパーライザーEXを導入しています。旧型PXと新型EXでは出力が約2倍異なります。
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産婦人科、生殖医療施設での不妊鍼灸(2006〜12、18〜23)
滋賀県「ちばレディースクリニック」、香川県「厚仁病院生殖医療部門」の二か所で計11年以上勤務しました。
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高度不妊医療施設と提携した不妊鍼灸(平成21年〜)
いくつかの高度不妊医療施設の医師と定期的に懇談し、最新情報を取り入れ、適切な医療連携を行っています。
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不妊鍼灸の講演回数の多さと進化(平成16年頃〜)
日本プライマリケア学会、公益社団法人日本鍼灸師会全国大会及び全日本鍼灸学会で講演やシンポジウム、近年では、日本生殖医学会、日本IVF学会、日本レーザーリプロダクション学会などハイレベルな学会からも招かれて、講演などは計30回に及びます。
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開かれた不妊鍼灸
当院の治療は各種講演会などで何度も他の鍼灸師達に公開されています。密室的な治療ではなく、同業の先生から見られても、実績を見られても、誇るべき治療だと考えています。また過去数十人の院内見学を受け入れ、透明性を高めています。
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不妊鍼灸は男性にも
2016年には鍼灸院として、本邦初の本格的な男性不妊鍼灸開始

位相差顕微鏡とマクラーカウンティングチェンバーによる精子観察。モニターに写りますのでスマホで撮影して、奥様に見せていただくことも可能です。
当院では鍼灸院としては最高の精子観察機器をを備えています。
(1)タイミング段階で、なかなか授からず、精子の状態もわからない場合
当院で複数回観察して、精子が少ない場合、近隣の男性不妊專門泌尿器科、または顕微授精などが可能な医療施設の受診をお勧めします。
(2)体外受精に進んだ理由が、精子の量が微妙に少ない場合
もしタイミングでの妊娠をご希望の場合、3、4ヶ月間ご主人の治療を受けられることをお勧めします。
(3)精子の状態の上下が激しい場合
一定のレベルを保つために、観察を継続しながらの鍼灸治療も選択肢の一つとなります。位相差顕微鏡とマクラーカウンティングチェンバーによる精子観察
今後も絶えず研鑽を重ね、様々な取り組みを行なっていきます。
令和3年12月記
