京都四条烏丸、滋賀栗東小柿。不妊症、突発性難聴、円形脱毛症、顔面神経麻痺、各種運動器疾患で本院新患5,305人(2023末)、年8000人以上の施術実績。

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突発性難聴の効果判定

突発性難聴データの困難さ

突発性難聴の治療効果を示すことは容易ではありません。その理由は、

1、まず医師の治療を受けておられて、それで改善が芳しくない方のみが来院されるために、薬剤と比較してもどうしても平等な評価を行えない。

2、データを出すための計算が極めて煩雑である。

3、症例を多く集めるのに長い期間を要し、かつそのすべてが改善率を出すための条件が揃っているとは言えない。

4、病名が途中で変更される場合がある。

まず1について説明しましょう。耳に異変を感じると耳鼻科へ行き、ステロイド剤などの使用から始まります。次に高圧酸素療法などを受けておられる場合もあります。それで改善されにくい場合のみ、鍼灸に来られます。すると発症からすでに月日が経過しており、鍼灸来院時すでに治りにくいまたは聴力固定が起こっている場合が沢山あります。この時間差は鍼灸の評価にとって、特に突発性難聴への治療効果の評価において極めて大きなハンデを背負っています。

次に2について。難聴改善率の計算は煩雑です。まず四分法の平均値を患側と健側で出します。そしてその差がどれくらい減少するかを、治療開始前と一定回数の治療後で計算します。ですが軽度難聴、重度難聴、また反対側の聴力が低下していたりします。こういった様々な状況を同等に評価して良いのかという問題があります。

3について。すでに患者さんが耳鼻科通院されていない場合が多々有ります。そして聴力検査表を持っておられない、または申告しても耳鼻科からもらえない、または通院していないので耳鼻科医に言いにくい、というケースです。こういうケースでは当院で検査を行いますが、当院では70db以上しか計測できないので重度難聴は計測不能となり、データに含めることができません。

4について。突発性難聴という診断を受けておられても、耳鼻科の転院などで病名が変わる場合があります。その際、どの病名を尊重すべきか、それは経過を読み込まないと判別できません。

こういった様々な状況で、鍼灸治療の難聴に対する効果を検証するのは極めて困難です。しかし地道にデータを見ていくと、一定の傾向が見えてきます。別ページの突発性難聴の症例を是非ともご覧いただき、どのように改善されていくかをご理解ください。

分析結果1
上記の様々な条件を満たす方々が治療十回を目安に効果判定したところ、過半数が改善傾向に入られます。そして改善傾向に入られた方がその十回以内、またはその後も継続された場合、30%弱が治癒(四分法平均25dbより上)、または準治癒(同30db)となります。

分析結果2
やはり発症から治療開始までの期間が短ければ短いほど、改善傾向は強まります。しかし数は少ないですが、中には数ヶ月経過していても改善傾向に入る方、また改善し始めてから数ヶ月間もじわりじわりと改善が続く場合があることを確認しました。これらは医師が言うところの固定が、予想を超えて先に伸びていることを示します。

分析結果3
突発性難聴にしても、メニエル病にしても、聴力低下以外に随伴症状が存在する場合がほとんどです。それらは、補充現象、自声強聴、閉塞感、めまい(回転性および動揺性)などです。これらには極めて苦痛な症状がありますが、効果判定は自覚によるしかありません。これらのうち一つ以上が治療開始後に明らかに軽減または消失される率は高いといえます。それも「効果あり」とみなすなら、極めて高い割合で有効と言えるでしょう。

分析結果4
2024年から治療法の修正を行ったところ、改善例が増え始めました。これは治療の仕方によって、効果が変わることを意味します。当院では、今後も治療法の改良に取り組んでいきます。

発症後にまず受診される耳鼻科(西洋医学的治療)ですら、治癒は半数に満たず、3分の一ほどが改善すらしないと言われているものを、約半数で改善傾向が見られるのは、一定程度実効性がある治療であると考えています。

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