「まとめ」というより「雑記帳」
細胞の構成
ミトコンドリア
1細胞当たり約2000個。ATPの産生、カルシウムの貯蔵庫。独自のDNAを持ち二分裂して増える。現存真核細胞の飲食機能で飲み込まれた細菌由来?
核
DNAを含み、二重の核膜で出来ている。核膜は、二重だが実は核膜孔で繋がった一枚の膜。内側と外側では成分が異なり、内側では中間経フィラメントが網目状になった核ラミナがあり、形状を保っている。核ラミナにはクロマチンが結合している。核膜孔はmRNAの合成、スプライシング、プロセシングのチェックの最終関門である。核膜に存在する親水性のチャンネルは小型の水溶性分子を核内に通す。大型の分子は核内取り込み受容体と結合するかシグナル配列を持った物が核内に入れる。
小胞体
核膜にも結合している。不規則な網目状構造で、物質の運搬経路。細胞質で作られたタンパク質は全てまず小胞体にはいる。そして細胞質には戻ることなく、輸送小胞によって他の細胞器官へと送られる。粗面小胞体は表面にリボゾームを付着させている。
リボゾーム
膜結合リボゾーム
小胞体膜の細胞質側に結合していて、小胞体に運ばれるタンパク質の合成をおこなっている。
遊離リボゾーム
細胞質に存在し、DNAに指令されていて小胞体には送られない全てのタンパク質の合成を行う。
この二種のリボソームは同じ物で、小胞体シグナル配列を持つタンパク質を合成していると小胞体に付着する。またmRNAの翻訳の際にはリボゾームが多数付着してポリリボゾームとなる。
ゴルジ体
膜で出来た平たい袋が層状になっている。シス面(受け入れ面、小胞体を向いている)とトランス面(放出面、細胞膜を向いている)水溶性のタンパク質や膜は輸送小胞体によってシスゴルジ網に入り、嚢内を通過しトランスゴルジ網から出芽して、細胞膜へと融合していく「構成性開口分泌経路」を形成する。またある小胞は出芽してエンドソーム(エンドサイトーシス(飲食作用)の結果できる小胞)を経てリソソームとなる。
ペルオキシソーム
一枚膜の小型の小胞で、反応性の高い有害な過酸化水素が生成分解される隔離された場。危険物貯蔵庫のようなもので通常DNAから離れている。
リソソーム
消化酵素を含んだ小型の袋。飲食作用で取り込んだ物質から栄養素を取り出す。また不用な分子を分解して再利用または排出する。
グリコソーム
グリコーゲンの合成と分解を調節している酵素とグリコーゲンの複合体
#細胞骨格の種類と機能
微小管
・チューブリンというタンパク質からできた直径25nmの中空の繊維で、細胞小器官の位置に大きく関わる。細胞小器官を細胞の中の所定の位置に移動させるキネシンとダイニンというモータータンパクが存在する。また細胞分裂の紡錘糸となる。管の両端で極性を持つ。すなわち、チューブリンが重合付着していくプラスエンドと脱重合していくマイナスエンドである。
アクチンフィラメント
・アクチンというタンパク質が同方向に重合した直径6~7nmの繊維。筋肉に多く含まれ、両端で極性を持つ。
中間経フィラメント
・直径10nmのタンパク質繊維。構成タンパク質は5種。ケラチン、デスミン、ビメンチン、ニューロフィラメント、酸性細線維グリアタンパク質。極性は無い。
これらの機能
1・構造材(細胞の強度)、2・ロープ(形を整える)、3・モーター(細胞自体や細胞内器官の動きや向きを決める)
#生体成分の構造と機能
細胞の化学成分(4つ)(構造部材)
糖(多糖)、脂肪酸(脂肪、脂質、膜)、アミノ酸(タンパク質)、ヌクレオチド(核酸)。
これら小分子とその鎖状巨大分子で水(70%)を除いた大部分を占める。
#糖
糖は( C6H10O5 )n の分子式。(nは3から7の整数)
一般的には三炭糖(トリオース)、六炭糖(ヘキソース)、五炭糖(ペントース)。
アルデヒド基(-CHO)を持つ…アルドース
ケトン基(-CO-)を持つ…ケトース(生体ではフルクトースとジヒドロキシアセトンが一般的)
異性体…炭素数が同じである限り、すべて異性体(エピマー)
例…ヘキソースではグルコース、ガラクトース、マンノース(水酸基の向きが異なる)
ジヒドロキシアセトンだけは異性体とはならない「CH2OH-CO-CH2OH」
#環状構造における異性体
問題1・五炭糖のリボース・デオキシリボース
六炭糖のα-D-グルコース、β-D-グルコース、α-D-ガラクトース、α-D-フルクトースの構造式を書いて違 いを覚えよ。
「 」内の言葉を覚える
「テトロース(四炭糖)」以上の炭糖は「環状構造」を取ることが出来る。
アルドース型ヘキソースの環状構造は「アルデヒド基の炭素(1位)」と「5位」の炭素が「ヘミアセタール結合」によって六員環を形成している。この環状構造を「ピラノース環」といい、この構造を持つ糖を「ピラノシド」と総称する。
また、ケトースである「フルクトース」は「2位炭素」でケトン基を持っているので、「ヘミケタール結合」により五員環構造を取り「フラノース環」とよばれる。
#DL異性体(対掌体、鏡像異性体)
D体とL体の違い
アルデヒド基から最も遠い不斉炭素原子に結合する水酸基がフィッシャー投影式でD-グルセルアルデヒドと同じ向き(水酸基が右側にある)の異性体をD体、Lー型と同じ向き(水酸基が左側)の異性体をL体という。
問題2・上記の構造を「グリセルアルデヒド・CHO-CHOH-CH2OH」で書いてみよ。
#アノマー異性体
環状構造を取る糖でハワース投影式で1位水酸基の向きが
D異性体で下を向くのをα-アノマー、上を向くのをβ-アノマーと呼ぶ。L体では逆転する。
問題3・Dーグルコース(開環構造)がヘミアセタル化してピラノース環を形成して、α-D-グルコースになる順序をフィッシャー式投影式(鎖状)、ハワース式投影式(環状)を使い、説明せよ。また生体内で存在するときには「椅子型立体配座」の構造を取るがそれを図示せよ。
#多糖類(単糖同士が「グリコシド結合」したもの)
#ホモ多糖(ホモグリカン)・・・単一の糖から構成される糖の重合体。セルロース、デンプン、グリコーゲンはグルコースのみからなる多糖類。(セルロースはβ-グルコースがモノマー)
キチン(カニや昆虫の外皮の主成分。極めて安定)はN-アセチルグルコサミン(α-D-グルコースの2位炭素の水酸基がNHCOCH3 で置換)からなる多糖類。
デンプン(二種・アミロースとアミロペクチン)
(CH2O)nでnは10の2乗~5乗である。
アミラーゼで分解されてマルトースに、マルターゼで分解されてグルコースになる。希酸で煮沸すると一気にグルコースになる。
ヨウ素デンプン反応
デンプンは水溶液中ではらせん状の構造を取っており、ヨウ素分子(I 2)がその中に入って青変または赤変する。加熱で脱出して、色は消える。
アミロース
α-グルコース分子が直鎖状に結合。デンプン中の20~25%を占める。ヨウ素デンプン反応は濃青色。
アミロペクチン
α-グルコース分子、約25~30個に1個の割合で分枝構造を持つ、デンプン中に75~80%含まれるが、モチ米は100%がアミロペクチンである。ヨウ素デンプン反応は赤紫色。
デキストリン
デンプンよりやや分子量が小さい。白から黄色の粉末で糊に使う。ヨウ素デンプン反応はnによって異なる。
グリコーゲン
グルコース分子の分枝の多い構造で球状をとり水に良く溶ける。ヨウ素デンプン反応は赤褐色。
問題4・グリコシド結合を書け
#ヘテロ多糖(ヘテログリカン)
複数の種類の単糖からなる多糖類。グリコサミノグリカンは結合組織の主要成分である。
#脂肪(脂肪酸)脂質の定義…有機溶媒に溶ける一群の生体分子。
#脂肪酸
脂肪酸は細胞膜の主成分であり、疎水性の長い炭化水素基と親水性(極性)を持つカルボキシル基からなる。
生体膜はリン脂質で出来ている。頭部から極性基・リン酸基・グリセロール(以上、親水性)・脂肪酸(疎水性)という順でできていて(両親媒性)、親水性と疎水性の性質で寄り集まり流動性をもった二重膜を形成する。脂肪酸の分解は同量のグルコースの6倍のエネルギーを発生する。
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、不飽和ーではシス型が多く、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸は必須脂肪酸である。
#ステロイド(コレステロール、胆汁酸、ステロイドホルモン)…ステロイド骨格を持つ一連の化合物群
ステロイドは環状骨格を持つため疎水性であり、リン脂質細胞膜と親和性が高く細胞内に侵入しやすい。
コレステロールは生体膜、胆汁酸、ステロイドホルモン、ビタミンDの原料となる。
問題5・コレステロールの構造式を書きステロイド骨格を示せ。
#ステロイドホルモン
副腎皮質ホルモンであるアルドステロンは電解質代謝(ミネラルコルイコイド)、コルチゾールは糖代謝(グルココルチコイド)に関与する。男性ホルモン(アンドロゲン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)は官能基が異なる。
#脂溶性ビタミン・・・ビタミンD,A,K,E
#リポタンパク質…脂質とタンパク質の非共有結合性複合体
密度の違いにより分類される。低密度から、
超低密度リポタンパク質(VLDL)…内因性TGの輸送に働く
中間密度ー(IDL)???
低密度ー(LDL)…コレステロールとリン脂質を肝臓から末梢へ輸送(悪玉)
高密度ー(HDL)…コレステロールのエステル化を助ける(善玉)
がある。粒子の大きさはこの順に小さくなる。
#アミノ酸
α-炭素原子にアミノ基とカルボキシル基が結合(タンパク質を構成するのは殆どがα-アミノ酸)
両性電解質としてイオン化し、等電点を持つがアミノ酸の種類(側鎖官能基)により異なる。
問題6・アミノ酸の構造式を以下の順に書き構造の差異を確認せよ(R鎖のみで、-CH (NH2) COOH は略する)
中性アミノ酸
Gly-Ala-Val-Leu-Ile
Ser-Thr-Tyr
Cys-Met
Asn-Gln
Pro
Phe-Tyr(重複)-Trp
酸性アミノ酸
Asp-Glu
塩基性アミノ酸
Lys-Arg-His
問題7・開始コドンと任意のコドンから読みとられるアミノ酸のジペプチドを書け
#ヌクレオチド
遺伝情報の保有
ヌクレオシド…塩基と糖(リボースまたはデオキシリボース)
ヌクレオチド…塩基、糖とリン酸からなる核酸の構成単位
核酸…ヌクレオシド三リン酸の縮合によるホスホジエステル結合
対合はAとT, GとC
プリン塩基はAとG、ピリミジン塩基はC、T、U
問題8・A, T, G, Cからなるヌクレオチドがどの様にDNAを形成するかを図示せよ
エネルギーの保有
ATPはエネルギーの通貨(リン酸基の加水分解でエネルギーを放出)
#巨大分子
構成単位の特異的配列(シークエンス)に機能が依存している
立体構造は非共有結合による(モノマー、ポリマー、巨大分子へ)
1・イオン結合、2・水素結合、3・ファンデルワールス力、4・疎水相互作用
(他にジスルフィド結合、ホスホジエステル結合など)
#エネルギー、触媒作用、生合成
代謝(metabolism)=異化(catabolism)+同化(biosynthesis)
#細胞のエネルギー利用
熱力学第2法則「宇宙、あるいは閉鎖系では乱雑さは増加する一方である」
に細胞は逆らって見える
細胞と環境を合わせたエントロピーは増大するが、
「カオスへと向かう宇宙の中で、細胞は秩序の孤島を生み出し維持している」
つまり、外界へ乱雑さ(最も無秩序なエネルギーの熱)を放出することにより内部の秩序を維持している。
細胞は有機分子の酸化エネルギーを利用
酵素は化学反応の障壁を低くするが、反応は自由エネルギーが減少する方向にのみ進む。ここで正のΔGを得るにはそれより大きな絶対値を持つ負のΔGを共役させて反応させ、全体として負のΔGを起こすしかない。
活性型運搬体分子(ATPやNADH)も共役で作られる。
エネルギーの保有・運搬
ATPは最もよく使われる活性型運搬体分子(エネルギーの通貨・リン酸基の加水分解でエネルギーを放出)
アデノシン5’ – 三リン酸・・・ヌクレオシドの5位炭素に三個のリン酸が高エネルギーリン酸結合している。
#食物から栄養を得る
食物の酸化と燃焼の違い
細胞内では酵素が酸化を小さな反応の連鎖として触媒し、エネルギーを小分けにして運搬体分子にわたす。各段階で酵素は反応を制御する。燃焼は一気にエネルギーがゼロになるまで進んでしまう。
消化は3段階
1・腸での消化(巨大分子を簡単な構成単位に)
2・細胞質での解糖(六炭糖・グルコースから三炭糖・ピルビン酸をへてアセチルCoAに分解。少量のATPとNADH)
3・ミトコンドリアでのクエン酸回路(マトリックス)と電子伝達系(クリステ)
アセチルCoAをH2OとCO2に完全酸化。大量のATPとNADHwp生産
タンパク質
形と構造
水中では極性アミノ酸は外側へ、非極性ーは内側を向く
非極性アミノ酸は非極性側鎖をもつ(R鎖がCHn、含硫、ベンゼン環のみからなる、及びTrp)
アミノ酸の配列により三次元立体構造(コンフォメーション)が決定。分子シャペロンが構造ミスのないように助ける。(抗体機能)
変性と再生
高濃度の尿素で変性、尿素を除くと元の構造へ
タンパクを精製しX線解析で構造を決める
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放射線関連(物理選択でないのでかなりいい加減)
#X線結晶解析法(タンパク分子の三次元構造を原子レベルで解明するための主な方法)
X線は光と同じく電磁波の一種であるが、波長が極めて短い。平行なX線の細いビームを精製タンパクの規則正しく整列した結晶に照射すると、その一部は結晶中の原子により散乱される。散乱された波は特定部位で互いに強め合うので、適当な検出器で記録すればそのパターンを観測できる。X線解析像の各解析点の位置と強度から、解析像を生じたタンパク結晶中で原子の占める位置の情報が得られる。コンピューターを使って情報を処理すれば、タンパク分子の三次元電子密度図が得られる。これをアミノ酸配列情報と比べながら、原子モデルを作る。完璧な原子モデルは複雑すぎるので、簡略化して表示することが多い。(リボン模型、骨格模型など)
#X線
X線は光と同じく電磁波の一種であるが、波長が極めて短い。クーリッジ管を使って発生させる。陰極を熱すると電子が飛び出す。それを陽極にかけた電圧で加速し、陽極にぶつけるとX線が発生する。
可視光の波長・・・380~760nm
X線の波長・軟X線・・・50~0. 5nm(それ以下では硬X線、γ線となる)
#加速器
1・荷電粒子を作る
2・加速する
3・曲げる(線形ーを除く)
線形加速器、サイクロトロン、シンクロトロンがある
#シンクロトロン
一般に電子が加速度を持てば、電子から電磁波が発生する。(例えば、物質中で電子が制止する場合・制動輻射)そして電子が回転運動をすると、その接線方向に電磁波が発生する。電磁石を円形に並べ、それによって加速して、曲げて、電子に強制的に回転運動させて、そこから接線方向に一種の制動輻射を得る。これをシンクトロン輻射とよぶ。SOR光(強力なX-ray)を得る。
#原子核の崩壊
原子核が、放射線を放出しながら別の原子核へと変化する現象を原子核の崩壊と呼ぶ。原子番号84以上は全て放射性元素。ウラン234からトリウムに変化するトリウム系列が有名。
#放射線
α-線・・・ヘリウム原子核のこと。全ての粒子がほぼ一定の厚さまで透過。停止の際にエネルギー放出。透過粒子数が半数になる距離を飛程という。大気中で3cm、体内では数μm。人体への影響大。
β-線・・・電子。質量が軽く周囲の電場の影響ですぐ曲がるので飛程は経験的に算出した値。人体では皮下脂肪に到達する程度。体外被爆はほぼ無害。体内ーは影響大。
γ-線・・・電磁波。飛程の概念が適用不可。体外体内両方とも被爆の影響大。
#原子の崩壊
α崩壊・・・ヘリウムを出す
β崩壊・・・電子eを出す。従って原子核は + e となる。(例 (210/83) Bi→→ (210/84) Po + e- )原子番号が1個上へ。
γ崩壊・・・α・β崩壊後の原子は高エネルギー状態なのでγ線(電磁波)を出す。原子番号、質量数変化なし。
#半減期
原子核が最初No個あって、その半減期をTとすると
N= No (1/2) t/T
#放射線の強度
単位時間当たりの放射線の数により放射線の強度を定義する
ここでλは T= ln / λ で与えられる値(崩壊定数)
R= – dN / dt = λN = λNo e -λt
#過渡平衡、質量数と核子数の関係を把握しておくこと。(グラフや図で)
#NMR(核磁気共鳴)分光法
溶液を強力な磁場に置き、電磁波のパルスを照射する。別々のアミノ酸中にある水素原子核からのシグナルを同定して、相互に作用し合う水素原子の対の間の距離を測定する。NMRはタンパク分子の各部分の間の距離についての情報を与え、これをアミノ酸配列と組み合わせてタンパク質の三次元構造を算出する。20,000ドルトン以下の構造決定が出来る。
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#タンパク質
タンパク質の生理的機能を4つあげよ
1・筋肉、腱、骨、軟骨組織などの構成成分として
2・細胞内外の代謝・異化にかかわる触媒酵素として
3・免疫グロブリンや血液凝固系・線溶系のような生体防御系として
4・ホメオスタシスを保つためのホルモンのような生理活性物質として
いくつかのドメイン(α-ヘリックスやβ-シートでできるサブユニット)からなり、ポリペプチド鎖のN-HやC=Oの間の水素結合などで立体となる。電気陰性度(ポーリング)はF, O, N, Cl, S, C, H の順である。
α-ヘリックス・・・丈夫な円筒構造。ケトン(C=O)がよじれて4つ離れたアミド(N-H)と水素結合。
β-シート・・・極めて固い構造。逆平行のストランドとの間に水素結合でシート状。
#タンパク質の階層構造(階層は異なる構造単位)
一次構造・・アミノ酸の配列
二次構造・・α-ヘリックスやβ-シートを作る部分
三次構造・・ポリペプチド鎖が作る立体構造
四次構造・・複数のポリペプチド鎖からなるタンパク分子構造
ドメインは50から350個のアミノ酸からなり、独立した密で安定な構造を持ち、機能単位になりうる。
#タンパク質の機能は表面の化学基の配列で決定
抗体(ウイルスなどを捕捉)、酵素、アクチンなどは
リガンドが結合部位にはまりこむ(非共有結合)
#DNAからタンパク質へ
セントラルドグマ(中心仮説・中心教義)
遺伝情報の中心は核酸であり、情報は転写翻訳を経てタンパク質へと伝達される。生物の一般原理。クリックが提唱した。
#DNAからmRNAへ(転写)
DNAヘリカーゼで二本鎖をほどく。一本鎖DNAにRNAポリメラーゼがホスホジエステル結合でヌクレオチドを結合させる。校正機能なしで一万回に一回の読み違え。(DNAポリメラーゼは一千万回に一回)
mRNAは立体構造をとる。構成成分はATP、CTP、UTP、GTP。
リーディング鎖、ラギング鎖、岡崎フラグメントなどは意味を確認。
#mRNAの特徴
核内でスプライシング・・・イントロン(95%)をはずしエキソン(5%)をつなぐ。そして核膜孔から出る。
2つのプロセシング・・・ 5’端にキャップ形成、3’端にポリアデニル化(ポリA 尾部)
#mRNAの翻訳
開始コドンAUG(メチオニン)からトリプレットとして読みとる。(特定のアミノ酸に対応)
三種の読み枠がある。停止はUAA、UAG、UGA(アミノ酸の対応はなし)。
#tRNA
コドンと対応したアンチコドンを持つtRNAがリボゾームで二個づつはまりずれながらアミノ酸を形成。クローバー型(平面)が立体構造をとる。
アミノ酸とtRNA(3’末端)を結ぶのはアミノアシルtRNA合成酵素。
リボゾームはポリリボゾームを形成し、いっぱい次々とアミノ酸を合成。一個のリボゾームの二つのサブユニットが少しづつずれる。その様子はイメージとして覚えておくこと。
#染色体と遺伝子調節
直径2~8nmに2mのDNAに30億個の塩基対。テニスボール(ヒストン)に20kmの糸。(2000年一般入試出題)
遺伝子数は約10万(もっと少ないという説も)
#クロマチン
染色体はDNAとタンパク質の複合体であるクロマチンで出来ている。
ユーロクロマチン(凝集度低・すぐに転写できる領域)、
ヘテロクロマチン(凝集度高で転写活性なし・女性のX染色体の片方はこれ)
染色体が分裂周期のどの時期にどういう形状か確認
#染色体の複製と分配
DNA複製起点・・・いっぱいある。少ないと転写に時間がかかる。誤写の確率も上がる。
セントロメア・・・染色体の交差した部分。動原体(タンパク複合体)モーターが付着。紡錘糸がつく。
テロメア・・・染色体の両端に存在。末端を複製するための反復塩基配列。DNAが短くなるのを防ぐ。
何故短くなる??最後には3’末端でRNAプライマーのつく場所が無くなるから。
#ヌクレオソームはクロマチンの基本単位
八量体のヒストンコアに146塩基対にDNA二重らせんが巻き付く。ヒストン間のDNAは200個(リンカーDNAを含むから)。
#太さ(滋賀医はこういうの好きかな?)
二重らせん~ヒストンに巻く~ヌクレオソームが並ぶ~一回目折り畳み~もっと凝縮~凝縮して分裂期染色体
・2nm・・11nm・・・・30nm・・・・・・・300nm・・・700nm・1400nm
#遺伝子調節
ハウスキーピングタンパク・ハウスキーピング遺伝子(全ての細胞にみられるタンパク・遺伝子(例・解糖系など)
#遺伝子発現の調節(4段階)
1・転写の時期と頻度による調節(大部分はここで調節。なぜ?効率的だから。)
2・スプライシングやプロセシングによる調節
3・翻訳段階での調節
4・タンパク質の活性化、不活性化による調節
#転写調節はDNAの配列とDNAに結合した遺伝子調節タンパクによる
遺伝子のプロモーター領域はRNAポリメラーゼを正しい向きに結合させる。
プロモーターには開始部位とその上流の調節DNA配列(転写速度を決定する演算装置のような物)がある
遺伝子調節タンパク
塩基対間の大きな溝に10~20個のアミノ酸と非共有結合できる特殊な形(DNA結合モチーフでタンパク質ーDNA間の分子認識)
リプレッサー(遺伝子をオンに)
アクチベーター(遺伝子をオフに)・・ともに細菌やウイルスで解明
#真核生物の転写開始は複雑
1・基本転写因子(タンパク質の集合体がポリメラーゼに結合している)
2・RNAポリメラーゼが3種ある(細菌は1種)
3・エンハンサー(真核生物の遺伝子アクチベーターが結合する部位)
#遺伝的変動
#細菌(1倍体で遺伝子型=表現型)
世代交代が早い、つまり分裂速度が速く20~25分で二倍。約1日で10の9乗個(地球上の人口に匹敵)。
DNA複製が完全でないため変異が頻繁に起こる
これらより、選択圧のもとで残ったわずかの個体がすぐに集団の大勢を形成。(結局、全部は死なないんだなー)
#細菌は接合で他の遺伝子を取り入れる
接合による移動
供与菌側は、Fプラスミド(染色体とは別の環状二本鎖DNA)のうち1本鎖を分離し、受容菌側に橋を使ってDNAを送り込みながら自らは二本鎖に複製(ローリングサークル)する。供与菌側も送り込まれながら複製する。
しかしDNA組み替え技術に応用されている。
DNAの直接取り込み
破壊した細胞のDNAを直接取り込み、形質転換する。
メスだけの魚・・・他の似た魚の精子を卵が取り込む
#細菌のトランスポゾン(転移因子)
自分で指令するトランスポザーゼ(組み換え遺伝子)であっちこっち移動する。DNAの再編成をおこなう。
(カット&コピーとコピー&ペーストの2方法)
#相同的組換え
塩基配列の似た相同染色体間で起こる。
#形質転換・・・遺伝形質が直接取り込んだ高分子DNAによって移行する現象
形質導入・・・遺伝形質がファージの仲介で他の細胞に移行する現象
#エキソンシャッフリング
全く異なるタンパクドメインを指令するエキソンが、偶然の組み替え反応で連結し融合。レトロトランスポゾンのAlu配列が土台となる。ゲノムの進化は転移因子(トランスポゾン)によって加速される。
#キアズマ
減数分裂の対合状態で起こる染色体の交差。ヒトでは1回の減数分裂で1対の染色体当たり平均1~2カ所の交差がある。これが配偶子の組み合わせ2のn乗に加わる。
#膜の構造
#細胞膜は脂質二重層
両親媒性分子が疎水部を内側にしている。回転、移動、配置転換なんでもこい、でもフリップフロップはフラッパーゼがないとだめ。つまり二次元の流動性
#脂質二重層は溶質やイオンを通さない
二重膜の疎水性の部分が大きいので、親水性分子は通さない。分子が小さく脂溶性のものほど早く通過して拡散。
#膜タンパク
親水性のものや電荷を帯びたものを通す。内在性膜タンパク(貫通型・脂質連結型)、表在性タンパク(タンパク付着型)があり、輸送体、連結体、受容体、酵素が通過する。
#細胞膜の内側は「細胞皮層」と呼ばれるタンパクの網目構造。外側は糖衣によって守られる、また識別される。
#細胞内区画と細胞内輸送
細胞器官の体積は細胞の50%、ホ乳類の小胞膜の膜面積は細胞膜の20~30倍。つまり物質を細胞の隅々へ速やかに分配、または回収。
#細胞膜が陥入してできたもの
核膜、ゴルジ体、小胞体など一重膜(核膜は小胞体と連結して見かけ上二重膜)
#共生関係にあった細菌から進化
ミトコンドリア、葉緑体(二重膜)