京都四条烏丸、滋賀栗東小柿。不妊症、突発性難聴、円形脱毛症、顔面神経麻痺、各種運動器疾患で本院新患5,305人(2023末)、年8000人以上の施術実績。

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他の自律神経系疾患

 ここでは、他の自律神経系疾患(不眠症、手掌多汗症、起立性調節障害、過活動性膀胱など)について、少し触れたいと思います。

 自律神経は、交感神経と副交感神経という拮抗的な作用を有二つの神経で構成されています。例えば、交感神経は「お昼の神経」「戦う神経」とも呼ばれ、活動的な時に優位になります。逆に副交感神経は「夜の神経」「休息の神経」とも呼ばれ、リラックスした状態の時に優位になります。

 これらの神経がバランスを崩すと、体のあちこちに変調が表れます。他で述べた過敏性腸症候群やパニック障害も、自律神経の不調和が直接的な原因ではないかもしれませんが、自律神経の変調がこれらの症状の緩和を妨げるのは明らかです。そういったカテゴリーに属する疾患は他にもいろいろあります。

 そういった疾患群、当院に今まで来院されたのは、不眠症、手掌多汗症、起立性調節障害などです。

 これらの中で、特に不眠症や起立性調節障害ではクロノセラピーという理論を採用しています。鍼治療をすると交感神経が抑制され、副交感神経が優位になりますが、それに加えてスーパーライザーによる星状神経節照射は、その効果をより確実にすることが可能です。このクロノセラピーというのは、治療(ないし服薬)を自律神経の日内変動に合わせて行うという考え方です。これにより通常の治療効果を増幅することが可能とされています。

 ただ昨今、不思議な現象が起こっています。起立性調節障害と言えば、朝起きられない、学校に行けないという思春期に多い症状ですが、この疾患としつけの甘さとの間の境界が、はなはだ不明瞭となっている気がします。

 というのは、年々児童数は減っているのに、不登校児童の数が上昇し続けているのです。その一定割合は病気なのですが、逆に、『これはしつけが間違っている』と思わざるを得ないお子さんにしばしば遭遇します。ご両親に来ていただき、家庭での様子をお聞きして、明らかにそうであると認められる場合もありました。そんな中で、こうした状況にどのように向き合っていけば良いのか、私自身答えを見つけられないでいます。過去に何人ものお子さんが回復され、元気に登校されていく様子は本当に微笑ましくありますが、家庭環境やしつけの問題となると、私達が介入する余地もなく、果てしないジレンマに陥ります。親は自分のしつけの失敗とは子供に言えないので、病気というカテゴリーにあてはめようとします。

 例えば過去に来院されたご家庭では、一人っ子小学生の女の子の部屋にテレビを買い与え、スマホをもたせ、そして「部屋から出てこない」と嘆く親御さんの姿は、やはり間違っていると思います。家族間の会話はメールかラインのみ。食事はいつも子供部屋の外に置いておくだけ。まるでドラマのような例を見ます。そうでなくても、沢山の「これでいいのかな?」を感じました。三人の子育てを通して、私なりに考えてきたしつけと、かなり違っているのです。もちろん、同じしつけが良いはずもなく、各ご家庭それぞれでいいと思うのですが、お子さんがこのような体調になってしまった時、親御さんは自分達が間違っていないか、客観的に見ていただきたいと思うのです。

 さて、自律神経が誤作動を起こし、体調に異変を起こしてしまうと、今後ストレスが掛かった時に、必ずと言っていいほど同じ症状を誘発します。おそらく体がストレスに対する反応として、そこに回路を繋げてしまうように感じます。上に書いた手掌多汗症や不眠症始め、他のページにあるような疾患はそのように思えます。

 ところが来院された方にお聞きすると「そんなストレスはなかったんだけど」と言われる方がしばしばおられます。そこで発症頃の生活をお聞きすると、客観的に見ればかなりストレスフルなのです。では、どうして発症してしまうのでしょう。

 通常、私たちは過剰なストレスがかかると、そこから回避行動を取ったり、気分転換をしたりします。それは体が悲鳴を上げる前に心がそれを守ろうとしているのです。しかし逆の方々は、体の許容量と心の許容量に差があるように思えるのです。つまり忍耐力が強いと、肉体的なひずみとなって悲鳴をあげているように思えます。。

 最近、テレビコマーシャルで、過敏性腸症候群と並んでよく見かけるのが「過活動性膀胱」です。私達でも緊張状態になると尿意を催す事ありますが、その回数が日常生活に支障を来す程になってしまいます。それが次第に、何の緊張もないのに日に三、四十回にもなると、日常生活に支障をきたし、睡眠を妨げ、精神的な症状すら起こしてしまいます。これは膀胱炎などの診断のつく病気を全て除外されたもので尿意が止まらないものを言いますが、症状は常に頑固に存在するのです。これを自律神経系疾患に含めて良いのかどうかわかりませんが、神経因性のものですので、こちらで解説します。

<過活動性膀胱症例> 56才女性。来院8ヶ月前に頻繁に尿意を感じるようになる。その頻度は日に30回を超えた。泌尿器科を受診し「過活動膀胱」との診断を受け、服薬するも効果なく、中止。24時間尿意が気になり、精神的にも支障をきたし始めていた。そこで人より聞いて遠方の鍼灸院に行ってみたところ劇的に好転。あまりに遠方であるので、近所の鍼灸院に転院して治療を受けたところ、1回で急速に悪化しすぐに中止。そして三軒めの鍼灸院として当院に来院された。治療3、4回目頃でかなり良好となり、10回で自覚はほぼ消失。その後、たまにやや感じるようになると早めに来院され、事なきを得ている。

 また手掌多汗症は、些細な精神情動で手のひら(足の裏も)に大量に発汗する症状です。「手のひらに汗を握る」という慣用句があるように、ドキドキすると手のひらにじっとりと汗をかくのはしばしばあることです。しかしそれがあまりに常態化すると、「握手できない」「紙を触れない」「つり革が濡れる」などの支障をきたし、さらに悪化すると「ポタポタと落ちる」「パソコンのキーボードが汗で故障する」といった状態が起こります。いずれも極めてナーバスな状態になってしまいます。こういった症状に対して、西洋医学的には薬剤(注射や内服)、または手術が行われているようですが、私たちはその原因となる交感神経を抑制することにより、しばしば著効を得ています。

 しばしばというのは、逆に言えば「効果が均一ではない」という意味です。正直言ってここがつらいところです。目に見えて「腫瘍が消えた」とか「炎症が終息した」とかではないので、自覚の変化に頼るしかありません。従って顕著に改善される方もあれば、無効な方もあるのが実情です。無効な方は変化がないので「治療したが変化がなかった」としか書けないのですが、では改善される場合はどのように改善されるのかご紹介しましょう。

<手掌多汗症症例>(以下、加筆予定)

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