鍼灸は、実は驚くほど沢山の病気に対して効果がありますが、大まかにあげてみましょう。
1.神経系疾患
脳卒中の予防及びその後遺症、脳充血、脳貧血、不眠症、偏頭痛、頭痛(緊張性頭痛など)、神経衰弱、ヒステリー、ノイローゼ、うつ病、アルコール中毒、薬物中毒、書痙、特に脳血管性及び混合型の老人性痴呆症及びその予防、各種神経麻痺(顔面神経麻痺、片麻痺など)、各種神経痛(坐骨神経痛、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛など)、各種痙攣(横隔膜痙攣など)、手術後疼痛、種々の神経性疾患の総称として末梢神経系疾患
2.消化器系疾患
胃炎、腸炎、胃下垂症、胃痙攣、胃潰瘍、胃アトニー、胃酸過多症、胃及び腸神経症、食道噴門痙攣、横隔膜痙攣、十二指腸潰瘍、便秘、下痢(細菌性のものを含む)、脱肛、痔核、麻痺性イレウス、ある種の肝機能障害、胆石疝痛
3.運動器系疾患
腰痛及びその各種原因疾患、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、肩凝り、頚腕症候群、頚部筋筋膜炎、頚椎炎、上腕肩甲関節周囲炎(肩関節周囲炎・五十肩)、腱鞘炎、弾発指、足底筋膜症、筋腱靭帯筋膜等の損傷及び部分断裂、各種スポーツ障害(例えば上顆炎、俗に言うテニス肘など)、各関節炎、変形性膝関節症、慢性関節リウマチなどの各種膠原病、捻挫と打撲、頚椎捻挫後遺症
4.循環器系疾患
心筋梗塞などの予防、心臓神経症、心臓喘息、動脈硬化の予防、高血圧症・低血圧症及びその予防、レーノー氏病などの末梢循環障害、狭心症を伴う虚血性心疾患、不整脈、神経循環性無力症、白血球減少症
5.呼吸器系疾患
感冒及び風邪症候群、気管支炎、気管支喘息、習慣性咳嗽(がいそう)
6.泌尿器系疾患
神経性膀胱障害、慢性膀胱炎、尿漏、陰萎、不感症、腎石疼痛、男性不妊、インポテンス、遺尿症、尿失禁、尿閉
7.内分泌疾患
貧血、バセドー氏病、糖尿病、アレルギー等の免疫異常、肥満症、やせ
8.皮膚疾患
脱毛症、アトピー性皮膚炎、しもやけ、蕁麻疹、湿疹
9.婦人科系疾患
月経随伴不定愁訴、更年期障害、つわり、逆子、冷え性、月経困難症、月経前緊張症、月経異常、分娩の誘発、女性不妊
10.小児疾患
夜泣き、かんむし、夜尿症、小児喘息、小児麻痺
11.眼・耳・鼻・咽喉科疾患
急性結膜炎、中心性網膜炎、眼精疲労、近視、白内障、耳鳴り、難聴、メニエール氏病、鼻炎、副鼻腔炎、(急性)扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、嗄声、歯痛、抜歯後疼痛、扁桃摘出後疼痛
これらの中で青字の病気はWHO(世界保健機関・国際連合の内部機関で全世界の人々の健康を研究している)がこういった病気には鍼が有効ですよ、と適応疾患として認めたものです。また、WHOではその後も適応疾患拡大のため見直しを行っています。この委員会のメンバーは勿論殆どが外国の人々であり、この点からも、鍼灸が世界的に発展していることが窺われます。