突発性難聴には「遠隔=鍼、局所=スーパーライザー」
突発性難聴は、「とつなん」という呼び名が存在するほど、ポピュラーな疾患であるにもかかわらず、予後は明るいとは言えません。耳鼻科では、治癒、改善(良くなるが治らない)、不変(改善すらしない)が、それぞれ3分の1と言われるほど、その多くが完全には治らないと言われています。つまり西洋医学的にも極めて難治な疾患です。
名前が示すとおり、突然、短時間で高度の難聴を引き起こし、頑固な耳鳴りを残す場合もあります。多くの場合、ステロイド剤(内服または点滴)等が使われますが、西洋医学的には一定期間を経過すると積極的な治療は終了となってしまうようです。
この疾患の治療は、治療開始時期が早ければ早いほど良く、西洋医学的には発症から2週間以内に治療開始と言われています。鍼灸治療についても同様です。できる限りの早期治療はやはり重要です。(「固定について」参照)
実は、私(中村)自身、平成19年春に左耳の難聴になりました。ある日突然、こもった感じがして、いつも水の中にいるような感覚に襲われ、左側にいる人の声が全く聞こえなくなり、また患者様方のお話も右耳を近づけないと聞こえないところまで聴力が落ちました。めまい、自声強聴、補充、閉塞感、耳鳴り全てを経験しました。その後、当院での鍼灸治療でほとんど治りました。その時、ふと気づいたのは「反対側も聞こえなくなったらどうしよう」という恐怖でした。
ところで、突発性難聴は突然起こり、原因不明で他の診断がつかなかった難聴の総称です。ですからこの名称は何ら病理的な意味を持ちません。原因としては、幾つかのものが挙げられていますが、例えば内耳循環障害、蝸牛壁不可逆的変性、ウイルス感染などといった具合です。この幾つかの説ですら、言葉のカテゴリーが曖昧です。
さて私が難聴を患う前より様々な耳疾患の治療を改良してきましたが、近年(2023年頃から)ようやく治療の効果だと言える治療方法に辿り着きました。来院の方々には詳しくご説明します。そして今後も更に治療方法の改良を重ねてまいります。まずは是非とも、症例のページをご覧ください。突発性難聴などの症例