最近の日記

切り抜き

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こんにちは。湯浅です。

患者様がある新聞記事の切り抜きを下さいました。
大切な内容だったので、ここで紹介させて頂きます。


ご自身も小学生の頃に汎発型円形脱毛症を発症した当事者である研究者が、同じ病気の患者さんやご家族にインタビューされたものです。


《…「恋愛や結婚は出来ないものと諦めている」「ハゲ、ヅラといじめられた」「かつらがバレるのが怖くて職場を転々とした」「ストレスに弱い人がなる病気と誤解され、就職で不利にならないか不安」「かつらが高価で負担」「隠しているのは負い目」…

患者さんの語る問題は軽いものではなく、人生の選択や日常生活に具体的な支障が出ているケースもある。
にもかかわらず、「命に関わるわけじゃない」等、深くなやんでいる当事者が自身の問題を過少評価してしまう》

脱毛治療に関わっていると、この点はすごく理解が出来ます。

この記事の筆者は、《「髪があるのが普通」という世間の固定観念に合わせる方が楽だから》と分析しておられます。

《命に関わる病気などに比べ、社会に理解されにくいうえ、「ハゲ」や「ヅラ」が笑いやからかいの対象になる事も影響している》との指摘もありました。

そして、この病気の大きな問題は《周囲に言い出しにくい事である》と認識したといいます。


当院の脱毛症の患者さんでも分かれる所ですが、
病気の程度に関わらず周りに言ってる人と家族以外の誰にも言ってない人では日々の過ごし易さは全然違う様に思います。

圧倒的に後者が多数派ですし、前者のかたも環境や立場が変わった時に同じ苦しみがあるかもしれません。


隠す事で問題が共有されず、当事者にとってますます居心地の悪い社会になっていくという事は脱毛に限りませんよね…。

確かに、脱毛関連は他の疾患と比べて書籍も少な目に感じるのは研究者自体も少数派という所なのかもしれません。

色々と考えさせられる記事でした。

偶然?

こんにちは。湯浅です。


今年に入ってからの出来事で、とくに感慨深い妊娠報告がありました。

約2年前に人工受精段階で当院の治療を開始され、通院開始直後のタイミングで初めて妊娠された30歳代後半の方からのご報告です。

それまで一度も陽性反応がなかった為、鍼のお陰です!とても喜んで下さいました。


そして今回の妊娠報告はお二人目…ではありません。

悲しい事に、初めての妊娠は心拍確認後に流産されてしまいました。

赤ちゃんの心音が確認出来ないと言われたが納得いかないのでもう一度病院に行く、鍼治療は暫くお休みしたい、と泣きながらお電話がありました。

お互いにハイタッチして喜び、母子手帳をもらった事やや予定日や出産施設のご相談まで色々お話しされていただけに私自身もとてもショックだったのを覚えています。


今から3ヶ月程前に鍼治療を再開されるまでの間、既に体外受精にも進んでおられましたがやはり一度も妊娠陽性反応がなかったという事です。

今回は卵質向上の治療を3ヶ月かけて行った後での採卵で胚盤胞まで育つ卵子を得る事ができ、新鮮胚移植での妊娠でした。


一度目も二度目も当院の治療開始後、比較的早い段階で妊娠されておられます。

それは偶然でしょうか。

私もその方も、一度目は着床のアシストに、二度目はそれに加えて卵質向上という鍼治療の目的がバッチリ当てはまったのではないかと思っています。


もちろん妊娠に必ず成立する方程式などはありませんが、その方にとっては奇跡的といえる結果を度々目の当たりにすると、やはり偶然とは言えないものを感じます。

共通点

こんにちは。湯浅です。


妊活をテーマにしたドラマが始まるようですね。


最近は妊活のニュースを聞かない日は無いぐらいですし、意識は若い方にも広がっていると感じます。

以前には来院されなかった様な比較的若年の方が不妊治療で当院にも沢山おこしになっているからです。


初診でお話を伺う時、それらの方には共通点がある様に思います。

一つはタイミングや人工授精の期間がそう長くないけれども体外受精に進み、一度やって上手くいかなかったというパターン。

皆さん、体外受精だとポンと出来ると思ってた、とおっしゃいます。


どうも、体外までやったのに上手くいかない、それならやった事無いけど鍼治療でもしてみよう、という共通のお考えの様です。


若くて意識が高い方は比較的すぐに結果を求めがち、という印象があります。

おそらく、これまで学生時代の勉強や仕事できちんとやるべき事をやり、結果を出してきたのだろうなと思う方ばかりなのですが、妊活ではやった事が直ぐに結果に結び付かない事もよくあります。

その時に気持ちが下がって何もアクションを起こさなかった時期があるというのも共通点です。


妊娠に関して何も問題のない方であっても、毎月赤ちゃんになるポテンシャルのある卵子が排卵されている訳ではありません。

ですので、いつ来るかわからないその一個に巡りあうまでは 何より淡々と毎月アクションを起こす事が一番の近道です。

一回採卵をしただけで全ての卵子の状況が分かる訳ではないのです。


当院の卵質を高める治療でもある程度の期間は必要なのでじっくり腰を据えて取り組んでいただきたいと思いますし、その間に本当に体外受精まで進む必要があるのか考える事も大切なのではないでしょうか。



しかし、こうやって妊活の意識が若い方にも浸透する事は良い事ですよね。

何より妊活で一番大切な事は、時間ですからね。


卵子の老化という概念が正しく広がり、妊活という言葉が無くなる日が来る事を願います。