鍼灸のこと、いろいろな病気のこと、院内の出来事などを綴ります(^^)(担当 分院長 洲脇)
こんにちは。
森田です。
梅雨に入ったとはいえ、晴れ間の気持ち良い日もあって過ごしやすいですね。まだまだこれからが本番といったところでしょうか。
さて、雨が降ると頭痛がするというお悩みをよく耳にします。
なぜ雨が降ると頭痛が起こるのでしょうか?
原因の1つとして、気圧の変化による血管の拡張が挙げられます。
低気圧になると副交感神経が優位となり血管が広がり、近くにある三叉神経を刺激して頭痛を起こします。
これは一般に片頭痛と言われる頭痛です。
もちろん片頭痛の原因は、天候だけではありません。
ストレスなどの精神的緊張や月経周期、赤ワインやチョコレート、チーズなど、片頭痛誘発因子を含む食品の摂取なども考えられます。
特に女性の場合は月経周期におけるホルモンの変化の影響の方が大きいと言われています。
エストロゲンが減ると脳内のセロトニンという痛みを抑制する物質も減り、痛みに対して敏感になります。
生理周期でいうと、排卵日前後から次の生理までの間に起こりやすくなります。
ちなみに片頭痛より頻度が高いのは、頭や首の凝りから起こる緊張性頭痛です。
雨降りで体調が優れない時は、「今は月経周期の何期かな?」とか「最近疲れが溜まってないかな?」など、自分の体の反応に問いかけてみるのも良いですね。
自分の体を労わりつつ、穏やかな気持ちで雨の日を過ごしていきましょう!
こんにちは。森田です。
周囲の人の気になる態度が、自分が原因ではないかと不安に感じた経験はあるでしょうか?
ちなみに私は、通り過ぎる人に高確率で舌打ちをされる気がしていた時期があります。
「邪魔だったかな?」などと気にしていましたが、今なら9割方気のせいだと思えます。
1割は…本当にそうだったとしてもどうしようもないので諦めることにしました。
過敏性腸症候群の患者様からお聞きする悩みの1つが、
「近くにいる人が鼻をすする、掻く、などの動作をすると、自分が原因ではないかと不安になる。」
というものです。
過敏性腸症候群には腸管の形態異常や消化液に反応するもの、強いストレスに反応するものなど様々なタイプがあり、下痢や便秘、ガスが増えるといった症状を引き起こします。
日本人の2割ほどがこの症状を持っていると言われています。
中には勝手にガスが漏れている感覚を持つ方もおり、先程の様なお悩みを口にされる方も少なくありません。
鍼治療中に「今ガスが出ている感覚があるのですが、臭いませんか?」と聞いて下さる方もいらっしゃいます。
その時は本当に臭いを感じなかった為、そのままをお伝えしたら驚いておられました。
そもそもガスが出ていなかった場合もあれば、実際にガスが出ていても臭わなかった、思っている以上には出ていなかった、なども考えられます。
患者様との対話で驚いたのは、こういった訴えに対して「幻覚」や「統合失調症」の診断が下され、精神科の扱いとなってしまうケースがあるという事です。
もちろん向精神薬で改善するケースもあるのでしょうが、そうでなかった場合、次はどの様な治療をすれば良いのか行き詰まりを強く感じることになるはずです。
そもそもの原因を辿れば、何かしらの理由で腸の動きが障害されていること、空気の呑み込み過ぎ、肛門を締める筋肉が弱くなっていることなどが考えられますので、それらの症状にも目を向けて取り組む必要があります。
症状と心理状態が絡み合っている為、どこに目を向けるかは様々な見解があると思います。
腸の動きを障害する何かしらの理由。
それがはっきりとしない事が多いからこそもどかしいのですが、ひとつひとつ患者様の状況を確認して、ともに改善の方向を模索していきたいと感じる出来事でした。
こんにちは。湯浅です。
患者様がある新聞記事の切り抜きを下さいました。
大切な内容だったので、ここで紹介させて頂きます。
ご自身も小学生の頃に汎発型円形脱毛症を発症した当事者である研究者が、同じ病気の患者さんやご家族にインタビューされたものです。
《…「恋愛や結婚は出来ないものと諦めている」「ハゲ、ヅラといじめられた」「かつらがバレるのが怖くて職場を転々とした」「ストレスに弱い人がなる病気と誤解され、就職で不利にならないか不安」「かつらが高価で負担」「隠しているのは負い目」…
患者さんの語る問題は軽いものではなく、人生の選択や日常生活に具体的な支障が出ているケースもある。
にもかかわらず、「命に関わるわけじゃない」等、深くなやんでいる当事者が自身の問題を過少評価してしまう》
脱毛治療に関わっていると、この点はすごく理解が出来ます。
この記事の筆者は、《「髪があるのが普通」という世間の固定観念に合わせる方が楽だから》と分析しておられます。
《命に関わる病気などに比べ、社会に理解されにくいうえ、「ハゲ」や「ヅラ」が笑いやからかいの対象になる事も影響している》との指摘もありました。
そして、この病気の大きな問題は《周囲に言い出しにくい事である》と認識したといいます。
当院の脱毛症の患者さんでも分かれる所ですが、
病気の程度に関わらず周りに言ってる人と家族以外の誰にも言ってない人では日々の過ごし易さは全然違う様に思います。
圧倒的に後者が多数派ですし、前者のかたも環境や立場が変わった時に同じ苦しみがあるかもしれません。
隠す事で問題が共有されず、当事者にとってますます居心地の悪い社会になっていくという事は脱毛に限りませんよね…。
確かに、脱毛関連は他の疾患と比べて書籍も少な目に感じるのは研究者自体も少数派という所なのかもしれません。
色々と考えさせられる記事でした。