鍼灸のこと、いろいろな病気のこと、院内の出来事などを綴ります(^^)(担当 分院長 洲脇)
こんにちは。森田です。
周囲の人の気になる態度が、自分が原因ではないかと不安に感じた経験はあるでしょうか?
ちなみに私は、通り過ぎる人に高確率で舌打ちをされる気がしていた時期があります。
「邪魔だったかな?」などと気にしていましたが、今なら9割方気のせいだと思えます。
1割は…本当にそうだったとしてもどうしようもないので諦めることにしました。
過敏性腸症候群の患者様からお聞きする悩みの1つが、
「近くにいる人が鼻をすする、掻く、などの動作をすると、自分が原因ではないかと不安になる。」
というものです。
過敏性腸症候群には腸管の形態異常や消化液に反応するもの、強いストレスに反応するものなど様々なタイプがあり、下痢や便秘、ガスが増えるといった症状を引き起こします。
日本人の2割ほどがこの症状を持っていると言われています。
中には勝手にガスが漏れている感覚を持つ方もおり、先程の様なお悩みを口にされる方も少なくありません。
鍼治療中に「今ガスが出ている感覚があるのですが、臭いませんか?」と聞いて下さる方もいらっしゃいます。
その時は本当に臭いを感じなかった為、そのままをお伝えしたら驚いておられました。
そもそもガスが出ていなかった場合もあれば、実際にガスが出ていても臭わなかった、思っている以上には出ていなかった、なども考えられます。
患者様との対話で驚いたのは、こういった訴えに対して「幻覚」や「統合失調症」の診断が下され、精神科の扱いとなってしまうケースがあるという事です。
もちろん向精神薬で改善するケースもあるのでしょうが、そうでなかった場合、次はどの様な治療をすれば良いのか行き詰まりを強く感じることになるはずです。
そもそもの原因を辿れば、何かしらの理由で腸の動きが障害されていること、空気の呑み込み過ぎ、肛門を締める筋肉が弱くなっていることなどが考えられますので、それらの症状にも目を向けて取り組む必要があります。
症状と心理状態が絡み合っている為、どこに目を向けるかは様々な見解があると思います。
腸の動きを障害する何かしらの理由。
それがはっきりとしない事が多いからこそもどかしいのですが、ひとつひとつ患者様の状況を確認して、ともに改善の方向を模索していきたいと感じる出来事でした。