日々の診療の様子をお伝えします
大晦日です。皆様方は年末年始、いかがお過ごしでしょうか。
今年一年いろんな事がありましたが、今こうして振り返ると、
「人生 楽ありゃ 苦もあるさぁ〜」
という激動の一年でした。
(水戸黄門、特番でやってくれないかな〜)
さて、現在当院は6名のスタッフが在籍しておりますが、
彼女達、全員最高です。
今年入ったスタッフ二人は、互いに切磋琢磨し、たゆまず努力しています。また、いろんな仕事を深く捉えようとしています。
もちろん鍼の練習、医学の学習もとても順調に進んでいます。
間もなく、皆様方の治療を担当出来るようになるはずです。
とは言っても、過去に当院でこの域に到達出来たのは、ホンの一握りのスタッフなのです。学習量の多さに恐れおののき、施鍼練習の厳しさにくじけてしまいます。そういう意味でも草津分院長の露木を筆頭に、南と湯浅の両名は食らいついて来ていて見事です。
そういえば11月から毎週木曜日に、当院を卒業した田邊先生が本院の代診に入っています。毎週広島から来てくれています。私が忙しすぎて新入りの指導の時間が作れず、彼女にその役割をお願いしています。また新入り二人からすれば、5年経つとこの域に達するという近未来を体感する事により、着実に階段を登って欲しいと思うからです。新入り二人の2年目(とは言っても鍼灸師歴としては4年目と6年目になる)にどうぞご期待下さい。
さて私の正月はまた、カルテの整理にあけくれます。どうしても確認したい事があります。それは胚移植時に星状神経節へのレーザー照射を行ってからの着床率にどれほど有意差が出るかという事です。お盆に出したデータでは、有意差がでたものの、照射群は未照射群に比し分母が小さすぎたので、しっかりと確認せねばなりません。他にもせねばならない事がひとつ二つ。またもや大量のカルテと格闘です。診療がストップするこの3〜4日間が勝負です。
さらにお盆頃に出したデータを追試してみたところ、その効果が曖昧であるものもありました。それも熟考せねばなりません。
年に何回か講演の仕事がありますが、その度に最新の手法とデータを披露します。なのでリピートしてくれる同業の先生も多く、3回、4回と私の講義を受けに来てくれます。それはとても嬉しいのですが、常に新たな学習や研究結果を盛り込まねばならないので、すごいプレッシャーです。が、逆に言うと惰性に流されず常に勉強と研究を繰り返さねばならない原動力でもあります。
来年は、1月に仙台、3月に京都、春以降に東京へ呼ばれています。
仙台と東京では不妊症のみならず、他の疾患の講義も行います。同業の先生から見ても高いレベルでのオールラウンダーを目指します。
ということで、お正月は「データ整理」「免疫の学習」「バイオリンで気分転換」を3日間延々と繰り返します。
年末最終日の昨日は朝7時15分から予約がすべて詰まりました。6時半にシャッターを上げると外はまだ暗く、「うわっ!」と思いましたが、その時間からでも「来たい!」と思って下さる方がおられるのは、本当に嬉しい事です。年明け4日は朝7時半から詰まりました。来年もスタッフ一同頑張ります。
皆様、どうぞ良いお正月を!!
昨年来院された40代の近所にお住まいの女性の話。
一度治療して2回目に来院された時、どうもおかしいと思ったので、病院へ行ってMRIを撮ってから再来するようにお伝えした。
が、その後一向にお見えにならないので、一年以上も経過して忘れていた。
その方が不意に、その後の経過だけ報告にお見えになった。
聞くと、その後に接骨院を3軒ほど回って、半年以上かけて治療したのだが徐々に悪化し、最後は一晩中寝ていられないほど疼き出した。そこで私が勧めていた病院へ行って、MRIを撮ってもらったら腱板断裂で、すぐに入院手術となったらしい。
その方曰く、「最初から先生の言われる通りにしておいたら、こんなに苦しまずに済んだのに、その時は治るだろうと勝手に思い込んでいて、自分で回り道をしてしまった。本当にあのアドバイスがあったおかげで病院も迷わずに選んで、そしてその後、早く良くなる事が出来てよかった」と、わざわざ伝えに来て下さったのだ。
普通、こういう事をわざわざ言いに来て下さるのは勇気が要ると思う。
しかし接骨院は私たちより運動器疾患をしっかり診られるはずなのに、3軒共にきちんと精査を勧めず、一体何をやっていたのかと疑ってしまう。
私も肩関節のいろんな病態を沢山診て来ているので、これはおかしいと思ったのだろう。肩の疾患は、リウマチ等の全身性のものでなければ、諸種の徒手検査で大まかに原因が推測できる。とても微妙な状態だったのだろう、そのようにカルテには記載していある。1回しか治療せずに、その後すぐに病院を勧めるなどというのは、実際には滅多に無い事なのだ。
同じように、思い出す方がある。その方は肩こりで来院された。しかし通常の肩こりとはレベルがまったく違う。なにか変な予感がした。
「保険証は今、もっておられますか?」
「はい。」
「では紹介状を書きますので、すぐに内科に行って下さい。」
「はぁ、わかりました。」
という次第で、その足で内科に行ってもらった。
そして内科医からの返答が来た。
「肝がん第3期、即日京大に入院」
といった内容だった。
後日、同じ会社の方が偶然治療にお越しになり、その肩こりの患者さんの話しになった。やはりその後、お亡くなりになったらしい。初診鑑別の重要性を身にしみて感じ、その方のご冥福をお祈りしたのを思い出す。
最近、接骨院でも鍼灸院でも、修行を経ずにすぐに開業している人が多いと聞く。彼らは、どこで指導を受けたのだろう。指導を受けながら、いろんな患者さんを数多く経験しなければ、そういうスキルは身に付かない。ベテランのような年齢でも実は卒業したての脱サラ組という施術者も数多い。HPなどで資格取得年が書いてないのはそういう場合が多い。
勤務して指導を受けながら修行すると、通常ひとりでなら10年かかる事が、2、3年で到達出来る。もちろんその為には厳しい事もあるが、時間短縮なのだから当然であろう。
患者さんが言われる事(主訴)だけ聞いて、考えようようともせず治療するだけでは、まるで稚拙と言わざるを得ない。
治療を受けるのに、良い所を見分けるのは至難だと思われる。
ずっと前に来院されていたTさん。
今日の夜に用事で外に出た時、信号待ちでばったり。
自転車の前と後ろにお子さんを乗せて、、、。
「Tさん?」
「あーっ!先生」
「もうこんな大きくなったん?」
「はい、もう4月から小学生です!」
云々、、、という会話も和やかに、
「先生に会えて良かった!」
と仰って頂いて
「おやすみなさい」
と手を振った。
前の日記で効果を予測すると書いた途端に、
とても想い出深いTさんに出会うとは!
当時のカルテを見ると、、、
Tさんは鍼灸来院前に8回採卵、胚盤胞移植9個。
ところが成績は徐々に悪化しており、来院前の1年間は、
採卵5回で胚移植できたのが、8ヶ月前の1回だけ。
その後は、採卵出来ない、授精しても育たない、
そんな状況で当院にお越しになった。
鍼灸開始からとりあえず3ヶ月は頑張って欲しいとお願いした。
カルテによると、6月開始で9月採卵。
それでなんと!いきなり胚盤胞3個を得た。
今まで成績が徐々に悪化していたので、
医師から移植個数を複数個にするか尋ねられた時、
「いっちゃえ!」(と返事したと、いまだに耳に残る)
と複数個移植し、双子を妊娠、そしてご出産。
これもやはり卵質向上に3ヶ月を必要とした。
当院での卵質向上プログラムは、4、5日毎の間隔で行う。
私の言葉を信じて、みっちり通院された。
その時のカルテには、レーザーは卵巣に、
鍼灸は卵巣と子宮両方への刺激法が記録されている。
現在、他の疾患でレーザーだけと鍼灸併用の効果の比較を行っている。レーザーだけでも効果は認められるものの、鍼灸を併用すると、明らかな効果の増幅を感じられている。
両方共毎回使用しているが、やはりそれが不妊にも必須だと思われる。
そっかぁ〜。
もうすぐ小学生か〜。
時が経つのは早いな〜。
子供の成長は嬉しいが、私としては年の瀬も迫り、
一休さんの
「正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」
という句がじわじわと身にしみる齢となる。
前の日記(子宮内膜の話)で、予測された効果が予測された時期に発現すると書いた。
それを顕著に示す例が多々ある。例えば、卵質の向上だ。
卵子は90〜120日かけて準備をして、排卵する。
その間に、如何に着実に効果のある手法で、
卵子への栄養供給を積み上げるかがたいせつ。
特に排卵の60〜90日前頃が大切。
これは醍醐渡辺クリニックの渡辺先生と意見が一致している。
そういえば先日、IVF大阪、なんば、HORACグループがミトコンドリアの移植を臨床応用するというニュースが出たが、確かに細胞内の代謝を円滑に進めるには、ミトコンドリアの機能が重要な意味を持つ。
ミトコンドリアは、よく俵状で、外膜と内膜を有する二層構造として認識されているが、実はあのような形とは限らない。(とは、数ヶ月前にHORAC理事長の森本先生からお聞きして、その後に調べてみた)
そして卵子に含まれるミトコンドリアの量が減少する事もわかっているので、そうなると解糖に支障を来す事も容易に想像できる。
しかしなぜ、ミトコンドリアが減少するのだろう。
ミトコンドリアのDNAは環状なので、私たちの鎖状とは異なる。
となると、テロメアは存在せず、ヘイフリック限界も無いはず。
となるとミトコンドリア自体にはテロメア短縮によるアポトーシス、つまり寿命は存在しないのではないか?
実際に、生殖を単細胞から見つめ直すと、例えば原核生物は無制限に分裂を行うので、ミトコンドリアは環境さえ整えば、その繁殖は密度効果に依存するのではないか?
などと、思考は迷路に入り込む。
が、その減少はとりもなおさず、卵子内の有機物の量が減少し、ミトコンドリア自体の生命活動が機能低下に陥るからだだと考えるのがす素直かも知れない。
ミトコンドリアは、解糖の一部をになうものとして有名だから、糖の分解に目を奪われがちだが、ミトコンドリア自体が私たちのものとは異なる環状のDNAを有する別の生き物なのだから、彼らに餌をやらないと、当然死活問題となる。つまり彼らには糖だけでなく他の物質も必要となるわけだ。
ところで卵子の回りの顆粒膜細胞との間の細胞接合(gap junction)においては分子量千以下の物質輸送が行われている。そして森本先生とのお話で衝撃的だったのはミトコンドリア自体がそのジャンクション付近まで移動してくるというものだった。つまり彼らはそれだけ飢えているのかもしれない。ミトコンドリアもその構造維持のためには、私たちの細胞と同じ種類の物質が必要である。それはつい数ヶ月前だったか、ミトコンドリアが細胞内のタンパク質を取捨選択して取り込んでいる事が証明された。もしかしたら、細胞接合を通して流入した糖やアミノ酸を早くに取り込もうとしているのではないか。そう考えると、ミトコンドリアの減少とやはりつじつまが合う。
さて、ミトコンドリアの餌をどのようにして与えるかであるが、その手法はまたの機会に譲るとして、今回は予定通りの効果が現れた方を紹介する。
この方のAMHは0.1未満、つまり計測不能という事だ。来院前に3回採卵され、胚盤胞は取れず。そして鍼灸に来院され2ヶ月を経過した時の採卵も期待すべき結果が得られなかった。しかしその次、つまり開始から4ヶ月経過したときに、胚盤胞を得てご懐妊。そして今妊娠10週を迎えられている。
つまり鍼灸開始から3、4ヶ月目の採卵が一つの転機となる。
同様の経過をたどられた方が、つい最近でお二人おられる。うちお一人はAMHが0.2であった。AMHに関してもまだまだ書き足りないが、また機会があれば書く事にする。
さてと、、、「卵子の質が良くなります」というなら、それは3、4ヶ月で変化が現れなくてはならないということだ。そうなると、体外授精反復不成功で来院された方が、鍼灸でご懐妊となった場合、その頃の妊娠数が、他の月数に比して優位に高くなくてはならない。しかし、肩が痛いとか、腰が痛いといった治療なら、効いているかどうかは2、3回も治療すれば、多くの場合それを実感して頂ける。しかし「卵子がよくなる」などと誰が実感出来るのか。だからこそ、私たちは確実に効果が上がる方法を一所懸命に追求するのである。そんな思考を持ち始めてはや10年が経過した。婦人科の問題はすぐに効果が出ないのだから、気が長くなるような臨床研究を経て、実際の手法の精査が可能となる。開業して2、3年ではまったく不可能。
上手く行かなかった時、それは偶然ではなく、自分の努力不足、思考の浅さのせいかもしれない。医療を切り開くには、常にそういう自責を感じなければ、前には進まないのである。
実際に、鍼灸来院前と治療開始後とでは、胚盤胞の到達率、そしてその移植時の着床率に極めて大きな有意差が現れる(データは待合室にある。また私の講演で他の先生に配っている)。これを更に増大させる事こそが私たちの目標だ。
今年は、11月に大阪と名古屋でその理論と実技を詳しく講義した。年が明けたら仙台で講義をする。
私たちの不妊鍼灸について、私は仲間達と共に全国的な普及啓発を進めている。もし不妊鍼灸を受けようと思われるなら、その院のブログ等で、それらを受講された先生の院を探される事をお勧めします。
不妊に限らず、鍼灸院を選ばれるときには、鍼灸師歴(絶対に年数を見て下さい)と記述(どこかの教科書から抜粋したような概論は、学生にでも書けます。一言一言に実現性信憑性があるか精査して下さい)をしっかり見極めて選んで頂きたいと願う。
渡辺先生といい、森本先生といい、鍼灸に理解があり生殖医療のトップクラスの先生といろんな話しが出来る環境である事を感謝し、それを最大限患者さんに還元せねば、その立場がもったいない。
4ヶ月前に、胚移植をしたいが子宮内膜が厚くならないという方が来院された。聞くと他の鍼灸院に100回行かれたが、変化が無いと。
多額の治療費を支払われて、効果もなく、
時間ばかりが経過して、凍結胚も保存のまま、
意気消沈しておられた。
子宮内膜が厚くならないのは、主に3つの理由がある。
エストロゲンの分泌不足。
エストロゲンレセプターの不足。
子宮血流の不足。
年齢(48才7ヶ月)からすると、もっとも可能性が高いのはエストロゲン不足だろう。
エストラーナを張っても厚くならないとしても、それがすなわち血流不足だけとは限らない。さらにレセプター不足は殆ど無いと言われているし、ましてこの方、以前は9ミリ位だったから。
それは例えば血管自体が分泌するエンドセリンは、外部から投与しても、所期の血圧変動効果が得られない事からも類推できると思う。足りないからと足しただけで元来の効果がでるとは限らない。ホルモンと言うのはそんな簡単な作用機序ではない。
されば、この方、どうして厚くならないか、それは外部から入れたエストラーナによるエストロゲン類似作用では、エンドセリンと同様の問題が起こるのでは無いかと考えた。エストラーナ貼付無しでまずは内膜の改善を試みた。
が、やはり血流も上げておくに越した事は無い。
100回も鍼灸を受けられていたのだが、よくもまた鍼灸に来ようと思われたと感心しながら、当院の技術力を示さねばならないと上記の理論でもって臨んだ。
当院にはエコーがある。2ヶ月経過してそれを見たところ、おそらく7ミリ台にまで回復していたので、急遽婦人科へ行って頂いた。(医師の経膣エコーと、私たちが使う経腹エコーでは、見え方がまったく異なるので、その計測には諸種条件を考慮した換算が必要である)
医師は当分休むように言っておられたが、内診すると8ミリ近くまで厚くなっていたので、翌月から移植準備に入ろうということになった。
鍼灸は東洋医学と言われるが、東洋医学理論だけを振り回しても、こういった状況を速やかに改善する事はできない。脈などの主観に頼る治療法には当たり外れが大きすぎる。やはり婦人科をしっかり学び、その人に足りないものを、科学的に補足する技術を備えなければならない。私たち不妊鍼灸ネットワークでは、それを真剣に追求し、答えをだしている。
よくあちこちに、鍼灸はホルモンバランスを整えるとか書いているが、では実際にどのようにバランスが整っているのか、データを取っているのだろうか。
内膜が厚くなるというのなら、きちんとエコーを備えて観察しているのだろうか。
良い卵が育ちますというなら、どの程度の改善があるのか、大きな分母で検証しているのだろうか。
なにかしら良い言葉だけをならべ、自分では検証もせず、まるで言葉だけをパクる。またそういうところに患者さんが引き寄せられ、そうして効果がないままお金と時間を無駄にしている人が極めて多い。過去、100人に近いほどの人が、他の鍼灸院から転院して来られているが、その人達の言葉からそれが伺い知れる。
この方は、鍼灸による卵巣動脈拡張法(注1)と(内臓体壁反射利用による)卵巣消炎法(卵巣術後疼痛に使う)(注2)、交感神経抑制法(注3)、またレーザーによる星状神経節及び子宮動脈照射を毎回継続し、今月も続けて8ミリの内膜を得て、いよいよ胚移植へと向かわれる。
当院では、他にも様々な手技手法があるが、その人の状況に応じて最適な組み合わせを選び適用する。その組み合わせがぴったりはまると予定通りの効果が、予定通りの時期に発現する。それを見た瞬間は、いつも身震いするほどの興奮を覚える。なぜならその方法は、私たちがネットワークの仲間達と議論を通して開発してるからだ。その患者に対しているのは私1人でも、私の後ろには全国津々浦々の心を通わせた仲間達がいて、彼らと、そして当院のスタッフと闘っているのだ。
移植直前、移植後はまた治療が微妙に変化する。
最善を尽くし、あとは祈るばかりだ。
注1 文部科学省助成研究で、ラットの卵巣動脈拡張25%を証明した手法。
注2 卵巣嚢腫、卵巣摘出等術後疼痛における治癒促進手技
注3 東北大学医学部(だったかな?)におけるラットの睡眠時間延長による交感神経抑制を証明した経穴付近の神経支配を利用。
当院では、他にもさまざまな手技を、一人一人に合わせて綿密に組み立てて応用し、出来るだけ確かな効果を期待する。
H27、12、20追記
「技術は嘘をつかない!!」(「下町ロケット」最終回より)
明日とうとう、この方は遠いところで移植を受けられる。
この祈りよ、頼むから届け!
過去に退職したスタッフが、患者さんを紹介してくれる時がある。
今日、お話しするのは昨年退職した二人が紹介してくれた人達。
1人はタイミング段階の妊活。
先月ご懐妊が分かり、胎嚢も確認。
ふぅ〜、よかった。。。
もう1人はかなり大変でした。
当院に来院される前に十数回体外授精をしておられた。
採卵をこれだけ繰り返していながら、
胚盤胞移植できたのはたった2回。
とある不妊医療施設と不妊専門鍼灸院に、
かなり長期間通っておられ、上記の経過で、
それを知った元スタッフが見かねて当院を勧めたらしい。
来院されて、今までの状況をしっかりお聞きして、
「私と醍醐渡辺クリニックのペアに賭けて欲しい」と、
なんとか医療施設の転院をもお願いした。
当院に来られてから3回の採卵を経て、
着床アシストの治療をして、本日懐妊!!
β-hcgも200を超え、ひとまず安心。
42才という年齢を考えるとシビアだったが、本当に良かった!!
渡辺先生が今日「中村先生に感謝しぃや〜」と言われたとの事。
そんな渡辺先生、今日は患者さんをご紹介下さった。
医師や退職したスタッフが紹介してくれるのは本当に嬉しい。
医師からは、当院を信頼して下さっている事、
元スタッフからは、当院のすべてを知って信頼してくれている事、
本当に意味がある事だと思います。
また同じ鍼灸師仲間からの紹介も増えています。
本当に冥利に尽きます。
不妊鍼灸ネットワークの第2回公開講座が、来年3月に開かれます。
会員はもとより、会員以外でも北海道から鹿児島まで全国各地から、
不妊鍼灸を真剣に学ぶ鍼灸師が100人集まります。
募集開始からたった3日ですでに申し込みは80人に達しました。
昨年、第1回参加の北海道や鹿児島の先生もリピートされます。
それは絶対的に、これ以上の不妊鍼灸の講座が無いからです。
「不妊を真剣に扱うなら、これを受けないなんて!」
という声も多数聞かれます。
しかし残念な事に、昨年、日本全国から来られたのに、
京都は当院、滋賀は当院分院以外は誰も参加がありませんでした。
近畿でもこの1府1県だけでした。
地元で開催なのに、、、はぁ〜。
北海道や九州からも飛んで来られるのに、、、ふぅ〜。
やる気あんのか?と参加者名簿を見て目を疑いました。
今年はどうでしょう。
本会の講座を受けた方は「最高の不妊講座だ」と言って下さいます。
そりゃそうです。
不妊鍼灸の専門家をうならせるだけのノウハウですから。
今年は、さらにレベルアップします。
断言したいくらい。
「全国から不妊鍼灸のスペシャリストが集うこの講座。
受けないなら不妊鍼灸を語るなかれ」
私はたった30分しか話しません。
会長でありながら、たった30分。
それほど他の会員発表の質が高いのです。
私は全国で講演するので、こういう時こそ、
会員の質の高さを知って欲しいと願います。
自院のHPで好き勝手にデータを書いても、
それにはまったく信頼性がありません。
自分のデータや理論が公に晒されて、質問を受け、批評を受け、
それに耐える事が、真実の証だと思います。
それらを実行する事は非常に大変で勇気が要る事です。
しかし批判と追試を繰り返し、技術は進歩するのです。
今回は、醍醐渡辺クリニックの院長渡邉先生、培養室長の木村様が登壇して下さいます。
不妊を学ぶ最高の場になる事は、もはや疑う余地はないでしょう。
Fさんという方、40台半ばで妊活中。
鍼灸開始まで5回の採卵で胚盤胞が一つも取れていない。
それが来院されてから、ぼちぼち取れ始め、
毎回自然周期採卵で1年間で8個の胚盤胞を貯められた。
そしてこの方が、お友達をご紹介下さった。
それは神戸の同じ不妊クリニックに通う妊活仲間だ。
今日、お二人のカルテを見ていて、ふと気付いた。
年齢こそ違うが、誕生日が一緒、、、。
お二人は、それをご存じなかった。
無作為に選んだ人が次の人と同じ誕生日である確率は、
約365分の1。
(うるう年を計算せず)
それを次の方に
「いや、前のお二人でこういう珍しい事がありまして、、、」
と話して、その人のカルテを見ると、
「ぎょえーーーーっ!」
また同じ誕生日。
ありえへん!!
40台妊活3人続けて、全員同じ誕生日。
そうなると「365分の1」の2乗。
計算すると、約13万分の1。
す、す、すごいっ!!
皆さんに幸福が公平に訪れますように!!
話しは変わりますが、今一所懸命連取しているのはこれ。
https://www.youtube.com/watch?v=leTVfMb2uME
人前で弾けるレベルになるのが目下の目標です。
早朝練習、頑張らなきゃ!
本日、草津分院に頚椎症の新患さんがお越しになった。
2、3年前に一度頚椎椎間板ヘルニアの診断を受けたが、痛み止めで1週間で緩解したらしい。
ところが今回は、2週間前の寝違いから首から左腕への痛みと痺れが取れないと来院。
当然だがすでに整形外科を受診され、まずはロキソニンを服用。しかしそれがまったく効かずに(この時点でヤバいと思ったらしい)、リリカに変更しても痛みや痺れが和らいだものの、症状が消えない。
坐っているだけで、首のちょっとした角度で左腕に痛みと痺れが出る。寝てもすこし角度が合わないだけで痛みが続く。
これってこの病気で苦しんだ人にしかわからない微妙さなんだよね。
というのも、昨年2月に自分も殆ど同じ経過をたどったからだ。
ただ、私の場合はヘルニアではなく頚椎自体が歪んだので、脊髄を圧迫していて、その痛みとしびれは両腕に来ていた。(画像参照)
話しを聞いていてその方の辛さが身にしみてよく分かる。あの頃は地獄の痛みと闘っていた。
結局、処方されるあらゆる薬が効かなかったので、手術を願い出たが、それも却下され約3ヶ月間は途方に暮れ、自分で治すしか無いと決意。
スーパーライザー(以下SL)をいろんな場所に照射して、もっとも有効な部位を見つけると同時に、鍼灸と併せてできる限り継続した。すると、日に日に緩解し8月にはバイオリンを首で挟めるまでに回復した。
それまでは、指先の感覚は麻痺し、両腕に常に激痛が走り、みそ汁を持てば手が震えてこぼれたり、お箸を口まで運べなかったり、うがいなどとてもとても無理。どんな角度で寝ても起きていても、ごくわずかな動作で激痛が走っていたのだが、今やまるで嘘のように快適だ。
そんな話しもしながらまずは初回の治療を。
すると仰臥位の途中から楽になるのを実感して頂き、治療終了後は痛みの無い可動範囲が少し広がったと言って下さった。自分が苦しんだ経験がすごく役に立った。
少し時間がかかるが、頑張って治して行きましょう!!
12/13加筆
本日、3回目の治療。動作時は半減、安静時痛は残り2割にまで軽減との事。ヘルニアは2、3回の治療で引っ込む事はあり得ないが、ヘルニア部分に圧をかける頚部の筋肉のテンスが下がったと思われる。このテンス、痛み止めが効けば、そういった効果を期待出来るが、痛みが引かない限りテンスは高いままで、最悪の堂々巡りに陥る。その循環をどこかで断ち切らなければ手術以外に痛みから逃れる方法は無い。とまれ、良くなって頂き、あとは少しというところ。私も写真の用な状態は変わっていないと思うが、良好な状態が1年以上続いている。生活的にはほぼ完治である。
と、今日、この方を治療しているとき、新患さんからお電話。この方の職場の方のご紹介だった。この方のお話を聞いて、早速お電話下さった。
12/17加筆
本日4回目の治療。安静時痛はほぼ消失。動作時痛は2〜3/10、
ということで、本日で一旦経過観察の終診とした。後は無理さえしなければ、自然緩解するでしょう。厳しい神経根症状が、これほどの速度で改善されたのは、とても喜ばしい事です。
鍼灸による卵巣子宮の自律神経支配にかんする研究をされている、
内田さえ先生の紹介です。
この先生は鍼灸師ではないのに、鍼灸の研究をされています。
http://livelywoman.jp/ask-experts/20141114-832.html
当院の不妊治療における論拠です。
待合室に論文3つ置いてあります。
興味のある方はどうぞご覧下さい。
流行語大賞ではないけれど、本日トリプルスリーでした。
何がトリプルかって?
某大学病院の女医さんが逆子で来院。
職場で逆子だと言ったら、先輩医師から
「つべこべ言わずにここへ行け」と言われて来ました、との事。
この方、初診の3週間前からずっと逆子。
初診時31週。
当院でエコーで見たらやはり逆子。とりあえず治療して「毎日家でお灸と、その直後の逆子体操をして下さい」と指導したら、次の検診で頭位に。電話で報告下さった。その後一週間が経過したとき、またもや逆子になったと来院。うん、確かに逆子。また同じように治療して、今度は自分の病院のエコーで確認して来院。
「先生、一昨日病棟のエコーで見て治ってたので、多分、治ってます。今日は治療じゃなくて一応の診察とお礼を言いに来ました」
と律儀なお言葉。触診すると、、、
「あれ?これ多分、横位ですよ、、、」とエコーで見たら、やはり横位。
その女医さん
「えーーー!?」
と半ば悲鳴に似た叫び。
実際にエコーで見てもらい、そして治療。
そしたら今日電話でまたもや「先生、婦人科で治ってました!」と。
本日はもう35週。
3週間ずっと逆子だったのが各1回計3回治療で3回改善。
ってんで、トリプルスリー。
臍帯巻絡もないし、このまま行って欲しいですね。
この方は女医さんなので、これほど信憑性が高い話も無い。
やはり逆子の治療にはエコーは必須。
目の前の人が逆子かどうかなんて、産婦人科の診察から日が経っていたら全然変わってしまうから。それも見ずして、論じるのは滑稽。
ちなみにこの先輩医師は、当院がまだ古くさいところにあった時に、奥様を連れてこられたDr.で、治ったのを本当に喜んで名刺を置いて帰られた記憶がある。その方が10年後に覚えて下さっていたのがとても嬉しい。