日々の診療の様子をお伝えします
今日(2・20・土)は、堺市の「もり耳鼻咽喉科」の森克己先生から、耳鼻科診療の実際を学びました。当院では、挙児希望の方々が沢山来院されますが、不妊症というのは、病名ではなく状態を表す言葉です。そこで、実は単一疾患としてもっとも多いのは、実は突発性難聴なのです。
本日は、耳鏡による鼓膜診察、ファイバースコープによる鼓膜観察をしつつ、鼓膜の形状について解説を受けました。
またティンパノメトリー検査を私と当院の湯浅と、堺市の鍼灸院の喜多先生で互いに計測しあって、森先生からは鼓膜の性質についてご講義いただきました。
またオージオグラムでは、気道、骨導計測を実体験し、解説いただきました。
さらに、当院での難聴患者さんの実際をお話して、鍼灸の有効性をご理解いただきました。
極めて実りある土曜の午後となりました。
当院には、今まで少なく見ても300人以上の耳疾患の来院がある。
そして、今日も「またしても!」
とほぞを噛むような思いをした。
今日の3人の新患さんのうちのお一人。
来院されるまでに1年間、2つの鍼灸院に最低80回通院されていた。
病名は突発性難聴。
以前、兵庫と大阪で難聴の講演をした時に、聴力検査の実演を行い、
「難聴を扱うなら、聴力検査を行って、効果判定をしましょう」
と説明した。
にもかかわらず、特に2軒目の鍼灸院では70回以上通院され、
その間に聴力検査を勧められず、
約9ヶ月治療を行った後の検査では、改善がなかった。
先月その院の治療に不信感を抱き、通院を中断された。
効果がなかった事をとやかく言うのではない。
治療を継続していて効果がないのに、
延々と同じ治療を続けている間に、
難聴はどんどん治りにくくなって行く。
それを分かっていながら、
何故に適時の効果判定をしないのか。
なぜむやみな通院引き延ばしを行うのか。
当初の10回で何の変化も無い場合、
61回目から70回目の10回で効果が出ると思っている?
そう思ってるんなら、「マジ、バカじゃね??」
以前お越しになったご婦人は、
なんと2年間も他院に通院されて後、
当院に転院されてきた。
その方も、まったく改善が無かった。
当院では、聴力、耳鳴り、閉塞感、自声強調などについて、
各々高い改善率を誇っている(いずれも約7割)。
それは以前、愛媛での講演会で一覧を公開した通り。
もし、最初からお越し頂けていたら、
もっと違う結果になったかもしれないと、
本当にほぞを噛むような思いをする。
当院では、まず5回、次に10回の治療で効果判定を行う。
耳鼻科での聴力検査が出来ない場合は、当院でも検査を行う。
殆どの場合、それで変化が見られる。
10回の治療で変化が無い場合は、
その後の改善の可能性は乏しくなる。
全患者さんの改善率、
10回で変化が無かった方が、その後も継続された場合の改善率。
この2つをご説明して、どうすべきかを話し合う事にしている。
なんでもかんでも治るわけではないので、
無駄な治療をだらだらと継続させないための説明と同意は、
来院される方への誠実さだと考えている。
ある院では、その院が忙しいかヒマかによって、
患者さんへの通院頻度を変えるという、超おバカな話を聞いた。
そこは、患者さんに毎日来なさいというのが、通常のようだが、
まったくもって、どうかしている。
そんな必要はまったく無い。
鍼灸院に一度失望落胆された方が、再度他の鍼灸院の門を叩く。
これは本当に切実である。
心して治療を行わないと!
難聴の方へ
「その院のやり方で、最初の10回、遅くとも15回程度で効果が明らかでない場合は、おそらくその院では治せません。さっさと中止、転院しましょう。」
それが難聴治療の特徴です。
コエンザイムQ10で老人性難聴予防?東大などメカ解明
年を取るにつれて耳が遠くなる「老人性難聴」は、耳の奥の「内耳」にある感覚器の細胞が遺伝子の働きで死滅して起きることを、東京大などがマウスの実験で明らかにし、米科学アカデミー紀要に発表した。
抗酸化物質で遺伝子の働きを抑えると、発症しないことも突き止めた。哺乳(ほにゅう)類の耳の仕組みは共通しており、人の難聴予防につながると期待される。
染谷慎一・東大特任助教らは、損傷を受けた細胞を自殺に導くBakという遺伝子に着目。マウスのBakを働かないようにすると、人間の50歳に相当する生後15か月でも聴力がほとんど低下しないことを確認した。
Bakの働きを抑えられるか調べるため、17種類の抗酸化物質を餌に混ぜてマウスに与えたところ、栄養補助食品(サプリメント)として市販されているコエンザイムQ10など3種類が難聴予防に効果があることが分かった。
一方、人間の成人にとっては1日20ミリ・グラムにあたる量のコエンザイムQ10を生後4か月からマウスに与え続けると、生後15か月の時点で、同じ月齢のマウスが45デシベル以上の音しか聞き取れないのに対し、12デシベルの小さい音を聞き取れることも確認した。
だそうです。
(読売オンラインニュースより)