No.19の記事

うぶ毛ちゃん

皆さん、こんにちは。
湯浅です。

現在通院中の最年少は8歳の円形脱毛患者さん。
毎週 ご家族と一緒に元気良く通院しておられます。

円形脱毛は主に「自己免疫の誤作動」(本来、自分を守るシステムである免疫が自分の身体を攻撃してしまう)を原因とし、こんな小さなお子様でもかかってしまう疾患なのです。

一言に脱毛といっても、よく探さないと見つけられない程度のものから、パッとみて分かるものまで、段階があるのですが、この患者さんは 残念ながら、後者の方なのです…。

お母様によると、「本人はケロッとしてる」そうなのですが、何分小さなお子さんですので ご両親の心配は想像に難くないですよね…。
ほんと…早く良くなって頂かなくては。


さて、当院では、脱毛治療が長期に及ぶ場合、「守り時」「攻め時」の見極めが大切と考えます。
「守り時」とは、免疫の攻撃の力が強く、脱毛が進行する可能性がある時(変化がない時も含みます)で、主に免疫機能の安定化と経過観察を治療目的とする時。
一方「攻め時」とは、その免疫の攻撃が収束したと思われる瞬間で発毛促進治療を積極的にする時。

この攻め時の判断材料が『うぶ毛』なのです。
脱毛患者さんと我々は、うぶ毛の発毛を粘り強く待ち望んでいます。
それこそ、生えてきた時は思わず『うぶ毛ちゃん!』とちゃん付けしたくなる程、愛しいものなのです。


そして先日、この患者さんのおでこの脱毛部から、薄っすらうぶ毛が‼
おでこは「本人の目に映ってしまうから…」とお母様が一番気にされている場所ですので 、とっても喜んでおられました。


うぶ毛ちゃん、この調子でどんどん生えてきてよ〜と、いう願いと共に…

私自身が子供の頃に経験した様に、
このお子様にとっても、ご家族と通院した鍼灸治療が良い思い出として残れば良いなぁ、という思いも湧いてきた1日となりました。