No.142の記事

呼吸と疲れ

こんにちは。
森田です。

例年以上に暑い日が連日続いていますね。
外の暑さとエアコンの効いた室内との差に身体が疲れやすくなる時期でもあります。
皆さまくれぐれも体調管理にお気をつけ下さい。

さて以前「運動しようとしてもすぐに疲れてしまうんです。」と、ある患者様からご相談を受けました。

その時は、筋肉量が足りない可能性やストレッチなど軽度の運動から始める事をお話ししたのですが、先日面白い本を読みました。

疲れと呼吸法についての本なのですが、深呼吸に対する誤解を指摘していました。

ポイントは、

・深呼吸をしても血中酸素は増えないこと。

・血液はほぼ常に酸素が飽和した状態にあり、沢山取り込んでもあまり意味が無いこと。

そもそも多くの人は血中酸素飽和度が正常です。それでも疲労感がある人が多いのは何故でしょうか?

問題は酸素が足りないからではなく、血中の酸素が筋肉や組織に放出されていないことにあるようです。

なぜなら呼吸が多い事によって大量の二酸化炭素を体外に排出してしまっているから。

二酸化炭素の役割のひとつは血中酸素が体内に放出されるのを助けることです。

赤血球のヘモグロビンが体内の酸素と結合して酸素を全身に運ぶのですが、ヘモグロビンが酸素を放出するには二酸化炭素が必要です。

という事は血中二酸化炭素が適量より少なくなると、酸素が全身に行き届かずに疲れやすくなるということになります。

過多呼吸は眠る時の口呼吸、話す量が多い、加工食品などによる食生活の酸性化なども関連しています。

慢性的な呼吸過多は、必要な二酸化炭素まで排出してしまい、脳の受容体が二酸化炭素に対して過敏になり、また呼吸が増えることに繋がります。

過多呼吸を抑制するには鼻呼吸を意識的に行う事、呼吸の量を減らす事が大切になります。

もちろん、苦しくなるまで息を止めろという事ではありません。

軽い鼻呼吸を心がけ、口呼吸を減らすことを意識することから始められます。

他にも鼻呼吸をするメリットにも触れており、とても興味深い本でした。

私には何より食生活の改善が必要だなぁと思った次第ですが、よければ普段の呼吸の仕方の参考にしてみて下さい(^-^)