日々の診療の様子をお伝えします
本日、草津分院に頚椎症の新患さんがお越しになった。
2、3年前に一度頚椎椎間板ヘルニアの診断を受けたが、痛み止めで1週間で緩解したらしい。
ところが今回は、2週間前の寝違いから首から左腕への痛みと痺れが取れないと来院。
当然だがすでに整形外科を受診され、まずはロキソニンを服用。しかしそれがまったく効かずに(この時点でヤバいと思ったらしい)、リリカに変更しても痛みや痺れが和らいだものの、症状が消えない。
坐っているだけで、首のちょっとした角度で左腕に痛みと痺れが出る。寝てもすこし角度が合わないだけで痛みが続く。
これってこの病気で苦しんだ人にしかわからない微妙さなんだよね。
というのも、昨年2月に自分も殆ど同じ経過をたどったからだ。
ただ、私の場合はヘルニアではなく頚椎自体が歪んだので、脊髄を圧迫していて、その痛みとしびれは両腕に来ていた。(画像参照)
話しを聞いていてその方の辛さが身にしみてよく分かる。あの頃は地獄の痛みと闘っていた。
結局、処方されるあらゆる薬が効かなかったので、手術を願い出たが、それも却下され約3ヶ月間は途方に暮れ、自分で治すしか無いと決意。
スーパーライザー(以下SL)をいろんな場所に照射して、もっとも有効な部位を見つけると同時に、鍼灸と併せてできる限り継続した。すると、日に日に緩解し8月にはバイオリンを首で挟めるまでに回復した。
それまでは、指先の感覚は麻痺し、両腕に常に激痛が走り、みそ汁を持てば手が震えてこぼれたり、お箸を口まで運べなかったり、うがいなどとてもとても無理。どんな角度で寝ても起きていても、ごくわずかな動作で激痛が走っていたのだが、今やまるで嘘のように快適だ。
そんな話しもしながらまずは初回の治療を。
すると仰臥位の途中から楽になるのを実感して頂き、治療終了後は痛みの無い可動範囲が少し広がったと言って下さった。自分が苦しんだ経験がすごく役に立った。
少し時間がかかるが、頑張って治して行きましょう!!
12/13加筆
本日、3回目の治療。動作時は半減、安静時痛は残り2割にまで軽減との事。ヘルニアは2、3回の治療で引っ込む事はあり得ないが、ヘルニア部分に圧をかける頚部の筋肉のテンスが下がったと思われる。このテンス、痛み止めが効けば、そういった効果を期待出来るが、痛みが引かない限りテンスは高いままで、最悪の堂々巡りに陥る。その循環をどこかで断ち切らなければ手術以外に痛みから逃れる方法は無い。とまれ、良くなって頂き、あとは少しというところ。私も写真の用な状態は変わっていないと思うが、良好な状態が1年以上続いている。生活的にはほぼ完治である。
と、今日、この方を治療しているとき、新患さんからお電話。この方の職場の方のご紹介だった。この方のお話を聞いて、早速お電話下さった。
12/17加筆
本日4回目の治療。安静時痛はほぼ消失。動作時痛は2〜3/10、
ということで、本日で一旦経過観察の終診とした。後は無理さえしなければ、自然緩解するでしょう。厳しい神経根症状が、これほどの速度で改善されたのは、とても喜ばしい事です。
鍼灸による卵巣子宮の自律神経支配にかんする研究をされている、
内田さえ先生の紹介です。
この先生は鍼灸師ではないのに、鍼灸の研究をされています。
http://livelywoman.jp/ask-experts/20141114-832.html
当院の不妊治療における論拠です。
待合室に論文3つ置いてあります。
興味のある方はどうぞご覧下さい。
流行語大賞ではないけれど、本日トリプルスリーでした。
何がトリプルかって?
某大学病院の女医さんが逆子で来院。
職場で逆子だと言ったら、先輩医師から
「つべこべ言わずにここへ行け」と言われて来ました、との事。
この方、初診の3週間前からずっと逆子。
初診時31週。
当院でエコーで見たらやはり逆子。とりあえず治療して「毎日家でお灸と、その直後の逆子体操をして下さい」と指導したら、次の検診で頭位に。電話で報告下さった。その後一週間が経過したとき、またもや逆子になったと来院。うん、確かに逆子。また同じように治療して、今度は自分の病院のエコーで確認して来院。
「先生、一昨日病棟のエコーで見て治ってたので、多分、治ってます。今日は治療じゃなくて一応の診察とお礼を言いに来ました」
と律儀なお言葉。触診すると、、、
「あれ?これ多分、横位ですよ、、、」とエコーで見たら、やはり横位。
その女医さん
「えーーー!?」
と半ば悲鳴に似た叫び。
実際にエコーで見てもらい、そして治療。
そしたら今日電話でまたもや「先生、婦人科で治ってました!」と。
本日はもう35週。
3週間ずっと逆子だったのが各1回計3回治療で3回改善。
ってんで、トリプルスリー。
臍帯巻絡もないし、このまま行って欲しいですね。
この方は女医さんなので、これほど信憑性が高い話も無い。
やはり逆子の治療にはエコーは必須。
目の前の人が逆子かどうかなんて、産婦人科の診察から日が経っていたら全然変わってしまうから。それも見ずして、論じるのは滑稽。
ちなみにこの先輩医師は、当院がまだ古くさいところにあった時に、奥様を連れてこられたDr.で、治ったのを本当に喜んで名刺を置いて帰られた記憶がある。その方が10年後に覚えて下さっていたのがとても嬉しい。