最近の日記

ほたい

本日の話題。
保体、、、じゃなくて補体です。笑

私達の免疫には、まず自然免疫系が働くとされています。ナチュラルキラー細胞やマクロファージや好中球です。

でも彼らが異物を食べたりするには、相手が自分ではない異物と認識する必要があります。

そこでその目標となるのが、補体です。保体、保健体育ではありません。爆

いくつもの種類の補体がありますが、
まず1個が二つに別れてでかいほうがぴっとりと(例えば)ウイルス表面にくっつきます。ここでくっつくのは、教諭結合です。

あ、違った。
なんかやらしい。
先生ごめんなさい。

共有結合です。手をしっかり握り合って
「簡単には取れへんぞ」って意気込みを感じます。

で、小さなやつが働いて、その後、他の補体を連れて来て、
だらだらだら〜っとウイルス表面を補体が覆います。
この補体、Cという名前が付いてるんです。

そしてこれをC反応性タンパク、つまりCRPってやつですね。
血液検査で見たことがある人も多いはず。
炎症は、異物やウイルスに補体が結合することで、
いっちゃん最初の最初、とっかかりが始まるんですね。

ま、補体に覆われた異物も外から見たら、もうかなり変。。。

真っ黒ふぁーじや天然殺し屋、好ちゅー球は、補体に覆われた塊を見て、

「なんじゃこりゃ〜」

と近づき、取り込み破壊します。

つまりこのように貪食細胞が食べやすくなるように、
目印で異物の表面を覆うことを「オプソニン化」といいます。

これは補体だけでなく、抗体でも起こります。

抗原をつけた抗体の基部Fc領域が食細胞とくっつきます。
すると抗体を通じて、食細胞は抗原を身近に意識できます。

そうすると、

「こいつか、邪魔もんは!」

とやたらテンション上って、抗原を食いまくるようになります。

これもオプソニン化といいます。

共有結合ってのは、電子を共有するので、めっちゃ結合力が強いんですね。
水素結合や、分子間力より、遥かに強いので、普通酵素か何かが無いと、全然離れてくれない、お手手を握りしめてる状態。

いやはや羨ましいですね。
水素結合は、電気陰性度の差が大きい原子同士がくっつくんです。

例えば「水」
分子内の酸素と水素は共有結合です。
でも分子と分子の間に形成される結合は水素結合です。

気が向いたらまた書きます。

ウイルス、寄生虫の進化

天然痘、エボラ出血熱、エイズ、などと聞くと、
とても怖いイメージがあります。

ワクチンの開発で天然痘は撲滅しましたが、
そこに至る道筋は並大抵ではありません。

逆に、回虫、ぎょう虫と聞くと、
どんなイメージがあるでしょう?
今の若い方々にはピンとこないでしょうか。

ところで、人間に感染して繁殖する微生物などの種類は、星の数ほどあります。それらの中には腸内フローラ(フローラという言葉は「叢(くさむら)」を意味し、菌がそこで一定の繁殖繁栄をしている状態です)を形成する大腸菌などは、私達の体にとても良い影響を与えています。皮膚表面の常在菌も同様です。

生物界には、ニッチェというものがあります。いわゆる「すみ分け」です。

ある種の生き物が新たな生育環境を作る場合、そこに前からいる生物種のじゃまにならないように、うまく隙間に生息します。かち合うと当然、ケンカがおこるので、各生き物はそれをうまく避けて、住み分けるのです。

皮膚常在菌は、皮膚全面を覆い尽くしているので、他の雑菌が繁殖するスペースを与えません。これに穴が空くと、そこに悪いやつが繁殖して炎症を起こしたり、かぶれたりします。

私達の体は、このように共生している微生物に守られています。持ちつ持たれつの関係です。

話を戻しますが、実は、、、

ヒト(宿主)を死に追いやるような強烈な菌やウイルスほど、実は古典的でおバカなのです。

なぜなら、感染した宿主とうまく共存していくほうがいいのに、宿主を殺してしまうほど猛威を振るうと、最終的には自分も死ぬのですから、実は恐ろしいウイルスほど、オバカなのです。

エイズはレトロウイルスというものに属しています。
レトロなんですよ。
古いんですよ。

大腸菌のほうが、頭いいんですよ。
だって私達が死ぬまでずっと中におるんですから。
もう一蓮托生状態。

回虫やぎょう虫も、駆逐さえしなければ、多分、私達ともっと素敵に共存共栄できる形に進化したかもしれませんね。笑

講演活動を中止したい。

過去、数十回にわたり全国各地で講演活動をしてきました。
来週は、東京で計6時間の講演を行います。
それは私が主催者に、
「2、3時間では核心に迫れない」
ので、延長してもらうようにお願いしたからです。

しかし、勉強すればするほど、深い部分を伝えるのに、
結局は何時間あっても足りない事に気づきました。

不完全燃焼。

年末は、広島で講演をしますが、それで講演活動を止めようと思います。

ビートルズは活動後期に、全てのコンサートをやめてしまった。
それは音作りが複雑になり、コンサートで再現できなくなったから。

彼らと比べるのは色んな意味で適切ではないですが、
いろんな事を、簡単にうすっぺらく話すことに疲れました。