No.5172の記事

ウイルス、寄生虫の進化

天然痘、エボラ出血熱、エイズ、などと聞くと、
とても怖いイメージがあります。

ワクチンの開発で天然痘は撲滅しましたが、
そこに至る道筋は並大抵ではありません。

逆に、回虫、ぎょう虫と聞くと、
どんなイメージがあるでしょう?
今の若い方々にはピンとこないでしょうか。

ところで、人間に感染して繁殖する微生物などの種類は、星の数ほどあります。それらの中には腸内フローラ(フローラという言葉は「叢(くさむら)」を意味し、菌がそこで一定の繁殖繁栄をしている状態です)を形成する大腸菌などは、私達の体にとても良い影響を与えています。皮膚表面の常在菌も同様です。

生物界には、ニッチェというものがあります。いわゆる「すみ分け」です。

ある種の生き物が新たな生育環境を作る場合、そこに前からいる生物種のじゃまにならないように、うまく隙間に生息します。かち合うと当然、ケンカがおこるので、各生き物はそれをうまく避けて、住み分けるのです。

皮膚常在菌は、皮膚全面を覆い尽くしているので、他の雑菌が繁殖するスペースを与えません。これに穴が空くと、そこに悪いやつが繁殖して炎症を起こしたり、かぶれたりします。

私達の体は、このように共生している微生物に守られています。持ちつ持たれつの関係です。

話を戻しますが、実は、、、

ヒト(宿主)を死に追いやるような強烈な菌やウイルスほど、実は古典的でおバカなのです。

なぜなら、感染した宿主とうまく共存していくほうがいいのに、宿主を殺してしまうほど猛威を振るうと、最終的には自分も死ぬのですから、実は恐ろしいウイルスほど、オバカなのです。

エイズはレトロウイルスというものに属しています。
レトロなんですよ。
古いんですよ。

大腸菌のほうが、頭いいんですよ。
だって私達が死ぬまでずっと中におるんですから。
もう一蓮托生状態。

回虫やぎょう虫も、駆逐さえしなければ、多分、私達ともっと素敵に共存共栄できる形に進化したかもしれませんね。笑