No.5137の記事

臨床研究とブログ開始

妊活支援団体で「NPO法人Fine」というものがあります。

この団体国内最大の団体で、今妊活中の人を支援し、
また今後、妊娠に苦労する人が減るように、
更には妊活を終えた人がその後の人生が有意義になるように、
実に様々な取り組みを行っています。

学校教育に妊娠に関する教育を盛り込むように、
尻の重い文部科学省に強く働きかけて、
それを実現させる大きな原動力となった団体でもあります。

大体、少子化が叫ばれて久しいのに、
これほど民間から突き上げないと動かない政府って、
一体なんなんでしょうね?

さてそのFineが運営するサイト「nin」において、
私たち不妊鍼灸ネットワークがブログ執筆を依頼されました。
理事長の松本様は以前、本会研修でご講演頂き、
また他の研修も見聞頂き、本会の質を認めて下さいました。
そして今回の依頼を頂きました。

初回は、私が担当させて頂きました。

http://www.nin.club/plus/ninkatsu-to-hari-kyuu

コンセプトは、

1、鍼灸が不妊の原因によって、有効に作用する事の周知。

2、どうして効くのかを一般の方々に分かりやすく説明する事。
 またそれにはどんな手技が必要かを理解頂く事。

3、2の知識を備えて頂く事によって、ちまたにあふれる
 「不妊専門鍼灸院」や「不妊を得意と標榜する鍼灸院」の中から、
 優良な院を選ぶ基準として頂く事。
 また現在通院中の院があるなら、
 そこできちんとした治療を行っているか、
 その判断材料として頂く事。

4、そしてもちろんの事ですが、子供を欲しいと願う方々が、
 良い選択をされ、良い結果になる一助となること。

私たちの学習研究は大きく細やかに、長期間にわたって行われます。
いわゆる retrospective cohort study
と呼ばれるものです。

それを行うには、カルテを詳細に記録する事、
そして治療内容と結果に一定の傾向を感じたら、
他の治療法との比較、また鍼灸が介入していないデータとの比較、
それを何年分ものカルテを調べ上げてデータ抽出します。
そして今度は、その手法が真に有効であるか、
未来に向けて検証を開始します。
そうして着実に効果が出た場合、それを発表します。

卵巣動脈における血流増加、と一口に言っても、
膨大な資料が存在します。
子宮動脈への血流量増加にしても、大変な研究です。
着床率上昇について治療毎に傾向を把握するだけで、
気が遠くなるような分析を必要とします。
一つ一つ、それだけで何年間も必要とします。

それらの詳細を述べるには専門的すぎますが、
このサイトではまず鍼灸入門講座として頂ければと思います。

第2回は、当ネットワーク学術部長木津正義先生が担当予定です。

私たちは何年間、いや十数年かけて効果の検証を続けています。
そのたゆまぬ努力に誇りを持っています。

どうか、皆さんが良い鍼灸を受けられ、希望を叶えられますように。

そう願って止みません。

ところで昨年3月に本会(不妊鍼灸ネットワーク)が、
この京都の地で「第1回公開講座」を開催しました。
会員はもとより、会員外でも北海道から鹿児島まで、
全国から百人以上の不妊を学びたい鍼灸師が集いました。
朝10時から昼食時も休まず5時まで7時間ぶっ通し。
極めてレベルの高い講義と実技供覧が行われました。

来年3月には第2回が開催されます。
また日本中から真剣な先生方が集まられるでしょう。

今年は、醍醐渡辺クリニックの院長と培養室長が登壇予定です。

とんでもない話しを持ち込んで下さる予定で、
今からワクワクします。