日々の診療の様子をお伝えします
納豆は、日本の伝統的な食べ物として、
その見栄えと臭いの悪さをものともせず、
私たちの食卓ではトップランクに君臨する。
ところが納豆に申し訳なく、
私は生卵を混ぜないと納豆を食せないでいた、
なんとこの40数年間も!
ある日家族で旅行に行き、
ホテルに泊まった時、
ー昨今のホテルはあのサルモネラ菌騒動から生卵を出さないー
仕方なく卵無しで、朝食で納豆を食べる事になった。
するとどうだ。
思っていたほど臭くなく、まずくなく、
どころか、日本人に生まれて良かったとさえ思える美味。
臭いと見栄えで食わず嫌いだった自分が情けない。
いや、40年余もなんともったいない事をしたんだろう。
誤解していました。
ごめんね、納豆さん。
バイオリンを始めて1年ほどで着用し始めた肩当て。
オーケストラを休んでいるこの間に、様々なフォーム改良を。
ということで、肩当てをせずに弾くことにしました。
楽器の角度が微妙に変わり、弓が定まりません。
ですが、運弓を改良している最中なので、
肩当てをはずすなら「今しかないでしょ!」
と、決断しました。
楽器が肩に直接乗ると、響きが体に伝わって、心地よい。
セロ弾きのゴーシュに出てくる動物達の気分ってこんなのかな、
な〜んて、考えてみたり。
来年のブラームス出たいなぁ。
新渡戸稲造の武士道はまぎれも無く私の座右の書のひとつであるが、武士道をもっと分かりやすく説いた本に出会う事が出来た。
「日本人の知らない武士道」アレキサンダーベネット著
日本の武士道に心酔し、その研究をライフワークにした著者が、武士道をいろいろな視点から、しかも現代社会の例を挙げて説いている。
新渡戸の武士道は、もともと外国向けに書かれた英文を、和訳したいわゆる逆輸入版であるが、上記の著書は外国の人が書いた日本語の武士道の本である。
武士道は、日本人に大きな影響を与え、日本のモラルの根幹ともいえる精神文化を形成して来たが、しかし日本人だからこそ当たり前のように考えもしなかった問題に、外国人の視点から光を当て、そしてその本質に迫ろうとする良著である。
私は剣道を20年以上やってきて、自分の成長に剣道の存在は欠かす事が出来ないものであった。その生い立ち無くして、今の自分はあり得ないし、私の自我が剣道からいかに大きな影響を受けたか、この書物を読むと本当によく理解できる。
今、私たちが取り組んでいる東洋医学は、東洋で二千年以上の歴史を持ち、東アジア固有の医学から世界の医学への道を辿り始めたばかりであるが、日本人であるからこそ当たり前のように考えてきた事は、外から見ると実は当たり前でもなんでもない。そして日本人固有の、というより日本人共有の思考や常識が崩れかけている今、同じ日本人に対してもまるで外国人に接するような詳細な分析と説明を必要としているだろう。
しかし、それがきちんとなされる事は、私たちの足元を見つめ直し、当然と考えて来た事の真偽を問い直す事につながるだろう。
東洋医学も、武士道よろしく、そういう篩(ふるい)にかけられなければならないと思う。