2014年9月

北海道講演終了

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昨日(9/28)、北海道鍼灸師会からお招きを受け、
札幌で講演して参りました。

3時間の予定が、かなり内容を省略してもなお超過。
会場の延長使用が差し支えないとのことで、
結局計4時間近くの講演となりました。

スライド約70枚で講義3時間。
鍼灸の実演40分。

当院の理論と実技は、公明正大です。

よく「独自」の治療を謳い文句にしているところがありますが、
それって私たちから言えば、
「外に出せない曖昧さ。他の鍼灸師に検証をされたくないレベル」
だと考えています。自信があるなら堂々と言えばいいし、それが鍼灸全体の向上につながります。本当に効果があるのに外に出さないのなら、何と偏狭な思考なのか。

講義の概要はスライドの通り。

婦人科における緻密な治療戦略を概論から実践まで話しました。
そこらの参考書に載っているような部分は飛ばして、
さらに上の講義を行いましたが、
ちょっと難しすぎたかも、、、というのは、
180名の聴講者のうち、約60名の学生が含まれていたからです。

さて私の前に講義されたのが産婦人科医でしたが、
婦人科全般の濃い内容で、
その先生とも、仲良く質疑応答をして、
私にとっても実りある一日となりました。

他のプライベートな内容は、フェイスブックにいずれ書きたいと思います。

学びは楽し

私たちの臨床の醍醐味は、なんと言っても患者さんが喜んで下さる事なのだが、それだけでは無い。

例えば、自分が想定した病態。
それに則した治療。
予想通りの回復。
これらが揃った時、身震いするほど感動する。

今日、当院の育卵治療をしている方の、今までの治療スケジュールと採卵結果を照合した。なんと判を押したように予想通りの結果となった。

さて治療を行う時に、私たちは膨大な知識をバックグラウンドにして、その中から必要なメカニズムをまるでパズルのように組み合わせる。

昨日の研修会での自律神経による卵巣子宮の調節についてもそうだ。むやみやたらに刺激をしたら、却って血流量が減少してしまう場合だってあることが、実験結果によって明らかになっている。

さて当院に転院されてきた患者さんが前に行っていた鍼灸院で、
そこの院長が、
「おれは学会とか、研修会なんて行かない」
と豪語していると聞いた。

『はっ??』

超真剣な沢山の鍼灸師達が必死になって解明している作用、
科学者が必死に研究している基礎研究など、
それらより自分一人の知恵が勝っているとでも言うのか?
世界中の学者と鍼灸師達をバカにしているのか?
いや、どっちが愚かなのか、答えは簡単だ。

勉強はすればするほど奥が深い。
婦人科だってそう。
どんな勉強もそう。
今回も、不妊鍼灸ネットワークの研修会で痛感した。

例えば、パルスの早さのホンのわずかな違いで起こる現象の差。
例えば、刺激する部位が、膝より下か上かで子宮や卵巣に対する影響がかわるという動物実験。
卵巣の血流量を増やすには、下腹部のどの動脈を広げればもっとも効率が良いのか、緻密に計測した結果。
そんな結果が山ほどある。

そんな事、一人で考えたって分かるわけない。
知らないでやっている事がなんと怖い事か。

頼むから勉強しないやつは、患者さんを診ないでくれ。

不妊鍼灸ネットワーク研修会

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不妊鍼灸ネットワーク平成26年度第2回研修会が、9月21日(日)東京都渋谷Hikarieカンファレンスルームで開催されました。
今回は、外部講師を3人お招きして、また会員からの症例発表が2題という、一日で収まりきらないような濃い内容でした。

第1講
演 題 「不妊予防について」
講 師 NPO法人日本不妊予防協会理事長・東邦大学医学部名誉教授
    久保春海先生

久保先生からは、現代の不妊を減らすために、またできるだけ多くの人が子供を授かるために、どういった視点からの医療や施策が必要かを、丁寧にお話し頂きました。中には、非常に専門的なお話も含まれていました。

発表1 多嚢胞性卵巣の症例を通して 
    インスリン抵抗性の考察
    演者 長野県飯田市 くま鍼灸院院長 熊谷賢一

不妊治療を行う上で、極めて細やかな目配りをしておられることが伺える、とても興味深い考察でした。

発表2 当院における不妊治療の成績について
    演者 宮城県仙台市 キュアーズ長町院長 小松範明
震災で大きな被害を受けた仙台市。その中にあり、素晴らしい不妊鍼灸(妊娠率が高い)を提供されている小松先生が、そのひとつひとつの手技において、なぜそうなのかを解説頂きました。当院でも明日から採用できる部分もあり、実りが多い発表でした。

第2講
演 題 「子宮・卵巣の神経性調節について」
講 師 人間総合科学大学 人間科学部 講師 鍵谷方子先生

鍵谷先生からは、自律神経が卵巣や子宮にどれほどの影響を及ぼし、そしてそれはどんな刺激で惹起されるのか、その効率的な方法はいかなるものか、を様々な動物実験を通して、また人の解剖学的観点からも詳細に解説頂きました。この発表は、我々の治療の理論根拠となる極めて意義深いものでした。

第3講
演 題 「臨床研究について」
講 師 福島県立医科大学 会津医療センター漢方医学講座 准教授
     鈴木雅雄先生

若手鍼灸師でありながら、臨床研究において、国内右に出る者はいないと思われるほど(アメリカの呼吸器系の論文賞も受賞されている)の優秀な研究者です。臨床を行う上で、どのような心構えで研究を行うべきか、その方向性をしっかりと教えて下さいました。今後、本会でも学術部主導のもと、そういう方向性をも見いだして行きたいと考えています。

不妊鍼灸ネットワークは、会員全員が極めて高い臨床意識を持ち、不妊鍼灸の有効性の証明と、より良い手法の確立にまさに「命を賭けている」と言っても過言ではない会員の集合体です。このままいけば、おそらく最高の不妊鍼灸のスタンダードを作り上げる事ができるでしょう。

会長としては、会員のレベルの高さに驚き、身が引き締まる思いです。

写真/久保春海先生(前列中央)と本会会員

ショーンとビッツァー

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明日から治療所のどこかで皆様をお出迎えします。笑
星状神経節にレーザーを当てられているビッツァー
風に飛ばされそうになりながら扇風機にしがみついているショーン
白衣のポケットで仲良しこよしな2人