日々の診療の様子をお伝えします
昨日は、醍醐渡辺クリニックへ、露木先生、田邊先生と3人で見学に行きました。
白衣に着替えて、帽子かぶってマスクして、培養室へ
実際に顕微授精をされる現場で、8個の卵子の顕微授精を、
培養室長の解説付きで見学させて頂きました。
顕微鏡下の作業がモニターで映し出されていました。
精子を選ぶ、捕まえる、イマイチ。
もう一度精子を捕まえる、選ぶ。
精子をピペットに吸引。
卵子の向きを、極体を12時方向に置き、
3時方向から精子を注入。
内部に空胞がある状態の卵子もありました。
その際は空胞を避けて注入。
とても根気のいる仕事を黙々と、
一つ一つ丁寧に行われていました。
精子を注入し終わった授精卵を、
今後は別の作業台で、培養液に浸し、保管庫へ。
保管方法も見せて頂きました。
たまたま当日の朝、当院に来院されている患者さんが採卵。
その資料を見せて頂きました。
とりあえず3個取れていて、三つとも成熟だったようでホッ。
AHAについては、レーザーによるものと、十字切開法を、
それぞれ見せて頂きました。
また裸化法と呼ばれる方法を見学しました。
吸入された卵子にまとわりついている顆粒膜細胞を剥がし落とす方法です。
しかし極体放出されていない未熟卵については、
顆粒膜細胞を全て剥がし落とすのではなく、
敢えて少し残しておいて、そのまま成熟を待つというものでした。
その後、副院長石川先生自ら、院内を全て案内して下さり、
また石川先生の生殖医療に関する講義を約30分受けました。
その間、3人から出された質問は約10個。
石川先生は、丁寧に答えて下さいました。
ここまでで丁度3時間。
その後、院長の渡邉先生、副院長の石川先生、そして田村先生と、
私、露木、田邊の3人で食事をしながら懇談会。
様々な意見交換を行いました。
昨今の不妊医療の様々な情勢や問題点。
また報道や書籍では知り得ない、
貴重な情報を教えて下さいました。
またこのお盆休みに当院で出したデータを提出し、
鍼灸治療後のAMHの変化を見るための協力をお願いし、
ご快諾を頂きました。
露木、田邊はかなり緊張していましたが、
このような機会は滅多に無いので、
大きな経験をしたと思います。
写真は、「当院に集合したスタッフ+田邊先生」と
「醍醐さんで白衣に着替えた二人」。
残暑お見舞い申し上げます。
私は、お正月とお盆は、日頃の臨床で疑問を感じた事を解決するための研究期間にしています。診療が止まり、時間が途切れなく数十時間確保出来る時こそ、臨床研究にもっとも適した期間です。
ということで、胚盤胞移植時に、免疫寛容を起こすと言われている星状神経節照射を行った例と行わなかった過去の例の比較、つまり着床率に差が出るかどうかを、もう少し多くの症例で調べています。
もうひとつは、鍼灸来院前に採卵をされていた場合の胚盤胞到達率と、鍼灸来院後の到達率を比較したいと考えています。
1採卵辺りの採卵数は、刺激方法によってかなりばらつきますが、
「胚盤胞/採卵数」「胚盤胞/採卵回数」
とすれば、その質の上昇を示唆するデータが取れると思います。
これをしないと、次の正月まで、ふつふつとした疑問を持ちながら治療をすることになり、それは半年間「お盆にやっておけばよかった」と後悔し続けることになるのは間違いなく、目の前の患者さんへの説明や、治療における自信の強さが変わります。もちろん、何よりも今やっている事が本当にしっかりと効果を出せているのかを検証しないと、皆様方に安心して治療を受けて頂けません。
10月11日(日)明治東洋医学院(大阪府吹田市)にて、講演を行いますが、その際に、そういったデータを開示し、方法を解説します。一般の方も入れるかもしれません。もしご希望の方は私にメールなり、お申し出なり下さい。
最近治療を終了した不妊症142人分のカルテ。
各カルテを読み込み、必要な情報を記入した付箋を貼り、
次にカルテを一枚一枚繰って、表に入力して行きます。
大変なお仕事ですが、私たちが皆様の前でしている治療は、これらの臨床研究があってこそです。
昨日はほぼ徹夜。今日も作業は続きます。
いろんな鍼灸院がいろんなデータを開示していますが、中にはひどいウソをついて射幸心をあおっている院がいくつもあります。その院のスタッフから直接聞いたりもしています。本当に情けない事です。当院のプライオリティは、まずウソが無い事。(って当たり前すぎて情けない話しですが、実際はそれがまかり通っていて、一般の方がそれを見抜けていないのが実情です。)
そして、それを達成するためにどのような理論でどのような治療をしているのか、婦人科だけで過去30回を越える講演で公開している事です。ウソついたりしたら、公開出来ませんよね?一ウソをついていたら、同業者から総スカン食らいます。
学会等で発表される基礎研究に加えて、きちんとした理論構築の上に成り立った手法で、最高の不妊治療を、最低の治療費で今後もお届けしたいと思います。
写真は、抽出した142人分のカルテ
今日は土曜日。
診療終了後に、家内と二人で五条坂の陶器市に行ってきた。
トイレで手を洗う所の下に置くのに、
丁度良いクリスタルがありました。
置いてみると、なかなかキラキラときれいです。
その他にも百人一首の句を書いた飾り皿。
「ひさかたの ひかりのどけき はるのひに」
私好みの字で、変態仮名を使い、なかなか達筆。
ちなみに、私が今、一番好きな句は
「花の色は うつりにけりな
いたづらに わが身世にふる
ながめせしまに」 小野小町
ネットで調べると
桜の花の色は、むなしく衰え色あせてしまった、春の長雨が降
っている間に。ちょうど私の美貌が衰えたように、恋や世間のも
ろもろのことに思い悩んでいるうちに。
と書いてありましたが、私の記憶では、
貴方の事を思いつつも、無為に他の人を見渡していたら、
その間に、貴方の心は私から離れてしまっていた(のが悲しい)
と記憶しているのですが、、、?
今日は、私の52回目の誕生日。
50になる時から、まったく嬉しくも何ともない。
これから老いさらばえて生きて行くのかと、
体力も記憶力も衰え、そして老眼になり、歯はもろくなり、
この年になると、年を取る事に喜びを感じなくなる。
ところが去年、私の誕生日と好みのスイーツを覚えていて送って下さった方があった。
ご主人60才、奥様43才。
体外授精3回を経て、当院に来院されて2ヶ月で自然妊娠されたご夫婦である。自然妊娠の可能税は、卵管さえ通っていれば必ずあるから、と説得し、ご主人の治療もして(精子運動率が40%台から80%に上がった)、そしてタイミングを取ってもらったら、見事に自然妊娠。
お子様も無事生まれて、すくすくと育っている模様。
今年はと言えば、通院中の女性から
「先生、今日誕生日ですよね」
と、少し大きめの封筒を頂いた。
「え?何故?」
「だってHPに書いてあるじゃないですか?これは父からです」
と。
実はこの方のお父さんは学者さんで、前から著作物を通じて存じ上げていた。初めて娘さんが来られたとき、珍しい名前なので、もしやとお聞きしたら備後、じゃなくて、、、ビンゴ!
なんという偶然というか、急にその有名な先生が身近に感じられた。
初診の帰宅後、私がお父さんを存じ上げている事を報告されたらしい。するとお父様が、著作物にサインをして、今日誕生日プレゼントに下さった。なんと予期せぬ喜び!!
そして実は、3年に渡り毎年私の誕生日にスイーツを送って下さる方がある。この方は、当院通院妊娠の最高齢出産の方。45才6ヶ月で、元気な赤ちゃんをお産みになった。よほど喜んで頂いているのか、今でも毎年この日にスイーツを届けて下さる。申し訳ない気持ちも一杯なのだが、やはりそれだけ喜んで下さっているのは嬉しい。
贈り物というのは、気持ちがこもっているのが分かると、それは社交辞令ではなく、相手を心から感動させる。
患者さんからの頂き物については原則的に記事にはしないのだが、今日は望外の歓びと、最高齢出産の方が子育て奮闘されているメールも頂き、嬉しくて書くことにした。
さて、写真はその書物のサインとスイーツに沿えられた手紙。
そしてゴディヴァのチョコは、そのスイーツを下さった方が、通院中にハワイへ行かれた時に頂いたお土産なのだが、まさに縁起が良いので、その後に取り寄せてスタッフ達に配ったりしている。
今もミントのチョコを頬張るたびに、3年以上経った今もまだ、その方の笑顔を思い出す。
先日の新患さんから教えて頂きました。
HORACグランフロントクリニック大阪の森本義晴先生が
ご自身のブログに私の事を書いて下さっていて、
それを見て来院したと。
とても嬉しい事です。
日本トップレベル不妊専門医チームの先生に紹介頂けるなんて。
http://ameblo.jp/ivfceo/page-2.html
いつか、このチームの先生をお招きして、
講演会等やりたいな〜と思ってみたり。
特に、卵子の染色体異常に関する発表が、
先日理研よりでたのですが、
その際に、共同研究に携わっておられるのが、
このチームのドクターだったりするのです。
そういった事を参考に、
どうして染色体異常が起こるのか、
また私たちに出来る事はあるのか、
それをデータで考察したいと思っています。
多くの人が「鍼灸で染色体異常が減るなんてあり得ない」
と思われているでしょうが、、、
実は、、、、あながちあり得なくもないのです。
少し前から、卵子のアンチエイジングを考えていて、
鍼灸や低出力レーザーでないと出来ない事があります。
生殖医療のすき間とも言える部分ですが、
とても大切な部分です。
10月に予定されている2つの講演会で、
(一つは大阪、一つは名古屋)話したいと思います。
(写真は森本先生を囲んで)