日常よしなし事

岐阜での講演

10/12、13に岐阜県で日本鍼灸師会全国大会があります。
そこでは、様々なジャンルの第一人者が講演を行いますが、
不肖私が婦人科の講演を依頼されました。
これは学会色もありますが、業団の大会でもあるので、
いわゆる学術講演会や学会とは少しばかり趣を異にします。
そこで今回の内容は、
1、学術を追求する不妊鍼灸ネットワークの取り組み
2、ネットワークの学術研修の一部
3、巷にあふれる「ヤバい不妊鍼灸院」の実例を掲げた綱紀粛正
の3本柱で話そうと思います。

特に3は、治療の質よりも集患と金儲けが優先する悪質院の現状を暴露します。岐阜師会長の小椋先生から「好きにやって下さい」とお許しを頂いているので、言いたい放題言いますよ。

出番は12日午後。
皆様、どうぞお楽しみに!!
良識ある鍼灸師の方々、会場でお待ちしています。

北海道講演終了

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昨日(9/28)、北海道鍼灸師会からお招きを受け、
札幌で講演して参りました。

3時間の予定が、かなり内容を省略してもなお超過。
会場の延長使用が差し支えないとのことで、
結局計4時間近くの講演となりました。

スライド約70枚で講義3時間。
鍼灸の実演40分。

当院の理論と実技は、公明正大です。

よく「独自」の治療を謳い文句にしているところがありますが、
それって私たちから言えば、
「外に出せない曖昧さ。他の鍼灸師に検証をされたくないレベル」
だと考えています。自信があるなら堂々と言えばいいし、それが鍼灸全体の向上につながります。本当に効果があるのに外に出さないのなら、何と偏狭な思考なのか。

講義の概要はスライドの通り。

婦人科における緻密な治療戦略を概論から実践まで話しました。
そこらの参考書に載っているような部分は飛ばして、
さらに上の講義を行いましたが、
ちょっと難しすぎたかも、、、というのは、
180名の聴講者のうち、約60名の学生が含まれていたからです。

さて私の前に講義されたのが産婦人科医でしたが、
婦人科全般の濃い内容で、
その先生とも、仲良く質疑応答をして、
私にとっても実りある一日となりました。

他のプライベートな内容は、フェイスブックにいずれ書きたいと思います。

学びは楽し

私たちの臨床の醍醐味は、なんと言っても患者さんが喜んで下さる事なのだが、それだけでは無い。

例えば、自分が想定した病態。
それに則した治療。
予想通りの回復。
これらが揃った時、身震いするほど感動する。

今日、当院の育卵治療をしている方の、今までの治療スケジュールと採卵結果を照合した。なんと判を押したように予想通りの結果となった。

さて治療を行う時に、私たちは膨大な知識をバックグラウンドにして、その中から必要なメカニズムをまるでパズルのように組み合わせる。

昨日の研修会での自律神経による卵巣子宮の調節についてもそうだ。むやみやたらに刺激をしたら、却って血流量が減少してしまう場合だってあることが、実験結果によって明らかになっている。

さて当院に転院されてきた患者さんが前に行っていた鍼灸院で、
そこの院長が、
「おれは学会とか、研修会なんて行かない」
と豪語していると聞いた。

『はっ??』

超真剣な沢山の鍼灸師達が必死になって解明している作用、
科学者が必死に研究している基礎研究など、
それらより自分一人の知恵が勝っているとでも言うのか?
世界中の学者と鍼灸師達をバカにしているのか?
いや、どっちが愚かなのか、答えは簡単だ。

勉強はすればするほど奥が深い。
婦人科だってそう。
どんな勉強もそう。
今回も、不妊鍼灸ネットワークの研修会で痛感した。

例えば、パルスの早さのホンのわずかな違いで起こる現象の差。
例えば、刺激する部位が、膝より下か上かで子宮や卵巣に対する影響がかわるという動物実験。
卵巣の血流量を増やすには、下腹部のどの動脈を広げればもっとも効率が良いのか、緻密に計測した結果。
そんな結果が山ほどある。

そんな事、一人で考えたって分かるわけない。
知らないでやっている事がなんと怖い事か。

頼むから勉強しないやつは、患者さんを診ないでくれ。