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精漿の意味

昨日の日曜日は、大きな本屋さんで、免疫学の本を片っ端から読み漁りました。
その中で、前の日記で触れた「性交渉による免疫寛容」の記述も出てきました。

ART胚移植前に夫婦生活を持った夫婦と持たなかった夫婦で結果を比較したところ、両者に着床率に有意差は出ませんでしたが、流産率が有意に変わりました。

もちろん、夫婦生活を持った夫婦の流産率が低下したのです。

やはり前の日記にかかれていることは、正しいようです。

そこで通常の妊娠では、当該性交渉で受精した場合、その交渉の日から6、7日目で着床するのですが、そのデータでは妊娠8週頃までの流産率が低下していたのです。

つまり免疫寛容な状態は、4週くらい継続するということになります。

現象的にはそうなのですが、理論的にはどうなんでしょう。

ちょっと考えてしまいます。

そこで、婦人科と免疫について、もっとも詳しく書かれた書物を購入したので、一層勉強したいと思っています。また詳しくわかったら書きますね。

その本は、なんと一冊21000円もするのですが、体の各部位で起こる免疫応答について、極めて詳しく解説しています。

通常、免疫の本といえば、T細胞とかNK細胞とか、つまり細胞生物学的な解説なのですが、この本は体の各部位毎に起こる免疫反応を解説しています。つまり組織学的な免疫の本なのです。そのような本は、非常に書きにくいと思います。なぜなら、各部位で起こる反応は実に様々で、部位ごとのストーリーが必要だからです。

しかし臨床的にはこの方が勉強しやすいので、理論原則を学んだ後には、これで勉強するのが本当に楽しみです。