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お盆のカルテ整理とデータ抽出

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残暑お見舞い申し上げます。

私は、お正月とお盆は、日頃の臨床で疑問を感じた事を解決するための研究期間にしています。診療が止まり、時間が途切れなく数十時間確保出来る時こそ、臨床研究にもっとも適した期間です。
ということで、胚盤胞移植時に、免疫寛容を起こすと言われている星状神経節照射を行った例と行わなかった過去の例の比較、つまり着床率に差が出るかどうかを、もう少し多くの症例で調べています。

もうひとつは、鍼灸来院前に採卵をされていた場合の胚盤胞到達率と、鍼灸来院後の到達率を比較したいと考えています。
1採卵辺りの採卵数は、刺激方法によってかなりばらつきますが、
「胚盤胞/採卵数」「胚盤胞/採卵回数」
とすれば、その質の上昇を示唆するデータが取れると思います。

これをしないと、次の正月まで、ふつふつとした疑問を持ちながら治療をすることになり、それは半年間「お盆にやっておけばよかった」と後悔し続けることになるのは間違いなく、目の前の患者さんへの説明や、治療における自信の強さが変わります。もちろん、何よりも今やっている事が本当にしっかりと効果を出せているのかを検証しないと、皆様方に安心して治療を受けて頂けません。

10月11日(日)明治東洋医学院(大阪府吹田市)にて、講演を行いますが、その際に、そういったデータを開示し、方法を解説します。一般の方も入れるかもしれません。もしご希望の方は私にメールなり、お申し出なり下さい。

最近治療を終了した不妊症142人分のカルテ。
各カルテを読み込み、必要な情報を記入した付箋を貼り、
次にカルテを一枚一枚繰って、表に入力して行きます。
大変なお仕事ですが、私たちが皆様の前でしている治療は、これらの臨床研究があってこそです。
昨日はほぼ徹夜。今日も作業は続きます。

いろんな鍼灸院がいろんなデータを開示していますが、中にはひどいウソをついて射幸心をあおっている院がいくつもあります。その院のスタッフから直接聞いたりもしています。本当に情けない事です。当院のプライオリティは、まずウソが無い事。(って当たり前すぎて情けない話しですが、実際はそれがまかり通っていて、一般の方がそれを見抜けていないのが実情です。)
そして、それを達成するためにどのような理論でどのような治療をしているのか、婦人科だけで過去30回を越える講演で公開している事です。ウソついたりしたら、公開出来ませんよね?一ウソをついていたら、同業者から総スカン食らいます。

学会等で発表される基礎研究に加えて、きちんとした理論構築の上に成り立った手法で、最高の不妊治療を、最低の治療費で今後もお届けしたいと思います。

写真は、抽出した142人分のカルテ